インターナルコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。今回は大日本印刷のグループ報制作の裏側に迫ります。
大日本印刷
『DNP Family』
『DNP Family EXPRESS』

大日本印刷(DNP)は印刷から事業領域を拡大し、現在は「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つを成長領域に据えている。しかし、これらは紙の印刷に比べて事業イメージが定着しづらいという課題があった。社員にも会社の事業拡大を「自分ごと化」させるべく取り組んだのが、2014年の社内コミュニケーションツールのリニューアルだ。
まず着手したのは、広報室が発信する各ツールの役割や効果などを整理すること。リニューアル前に実施した社内調査によると、読者層の中心は30~40代で、約半数の製造部門の社員はイントラネットに接触する機会が少ないことも分かった。そのため、紙媒体も重視しつつ各ツールの相乗効果の向上を図り、季刊の『DNP Family』、不定期発行のタブロイド『DNP Family EXPRESS』、イントラネット「DNP Family Web版」をスタートさせた。
「じっくりと読むことで会社の動きを把握できる『DNP Family』、すぐに役立つ速報としてのタブロイド、というように内容にも差をつけました。様々な媒体を組み合わせることで、必要な情報を必要なタイミングで必要な対象に届け、社員の理解・共感(行動)へとつなげていきたいと考えています」と広報室長の田村高顕氏は話す。
編集方針では、「事象よりも人にフォーカスする」「人をつなぐきっかけを提供する」「他人ごとから自分ごとへ意識転換させる」「具体的な事例を紹介する」という4点を心がけている。例えば、展示会の情報を掲載する際は関わる社員のインタビューを中心に構成する、なるべく多くの社員が理解しやすいよう様々なビジネスモデルの事例を紹介するといった具合だ。
「社員の反応を見ると …