年に1度の「自治体の通信簿」発表 2016年は石川県・金沢市が上昇
10月19日、ブランド総合研究所による「地域ブランド調査」2016年版の結果が公表された。全国1000の市町村について77項目を調べ、中でも「魅力度ランキング」は毎年注目を集めている。「自治体の通信簿」とも呼ばれる本調査をもとに、地域ブランディングのヒントを探る。
なぜ地方創生に「広報力」が必要なのか?
日本を訪れる若い中国人女性らが楽しみにしているのは「食事」「ショッピング」「温泉」──。彼女らの行動から読み取れるインバウンド需要の展望と課題とは。
北京、上海、広州に拠点を置く日系のPR会社、電通公共関係顧問(北京)有限公司では、「日本語サロン」なるミーティングを定期開催している。日本語を話せるスタッフが集まり、毎回テーマを決めて話し合うというものだ。このほど北京を訪れた編集部は、この日本語サロンに参加し、「日本通の中国人女性」から見た日本旅行の魅力について聞いた。
電通公共関係顧問はクライアントの7割超が日系企業のため、仕事を通じて日本語に触れる機会は少なくない。そのため、総経理の鄭燕氏をはじめ、日本語を学んだり留学するなどの経験があり、日本語を理解する社員を多く抱えている。日本語サロンの開催は、こうした社員向けに日本語でのビジネスコミュニケーション力を高める狙いがあるという。
この日集まったのは若手の中国人女性社員・インターンの6人。北京だけでなく様々な地域の出身だが、みな日本の大学への留学経験があった。
なぜ留学先に日本を選んだのか。全員から返ってきた答えは、彼女らが日本のアニメに親しんで育ったこと。名探偵コナン、スラムダンク、聖闘士星矢、美少女戦士セーラームーン、ポケモン、ドラえもん、ちびまる子ちゃん……と次々にタイトルが挙がる。ストーリーを通じて日本人の生活や慣習について知ることも多いという。
日本に旅行する際に楽しみにしていることについて聞いたところ、挙がったのは「食事」「ショッピング」「温泉」の3つ。食事については、刺身は好みが分かれるものの、寿司などの和食だけでなくたこ焼きやラーメンなども好きとの声が聞かれた。「日本のラーメンはおいしい」「𠮷野家は(中国にもあるが)日本の方がおいしい」との声もあり、日本人が普段食べているものが好まれていることが分かる。
ショッピングについては、銀座よりも新宿や原宿などに訪れていた。伊勢丹やマルイのほか、マツモトキヨシやサンドラッグといったドラッグストア、ビックロ(新宿東口にあるユニクロとビックカメラのコラボ店)などの名前が挙がった。買うのは主に化粧品や薬など。新婚家庭に赤ちゃん用品を頼まれるという人も。「たくさん買って友人に配ったり、売ったりする人もいる」という傾向は周知の通りだ。
店選びはSNSなどで友人や著名人が訪れた場所などをチェックしておくことが多い。事前に「買い物リスト」を作成していると言われるが、一方で「応対してくれた店員さんが親切だと勧められるままに買ってしまう」との声もあった。温泉については富士山に近い箱根が人気。中には有名スポットばかりでなく、普通の商店街や公園を探して訪れたという人もいた。
日本滞在時の不満について聞いたところ、挙がったのは店舗の「決済」について。彼女らは普段、現金をあまり持たない。以前は中国で有力な銀聯カードなどのキャッシュカード対応が求められたが、今は「ウィーチャットペイ」「アリペイ」などのスマートフォン決済が普及している。友人同士のワリカンもスマホ一つで済む。これらの決済サービスが使えることを示すステッカーの貼られた店を選ぶとの声は中国で何度も聞かれた。
彼女らの親の年代にあたる50代などは歴史や自然、桜や紅葉などを楽しめる場所を好むとの声もあったが、特に若い女性たちにとっては主に都市部で楽しんでいることが分かる。日本人や日本文化に親近感を持っている彼女らのような層が、今後リピーターとなって日本のインバウンド需要を下支えすることになりそうだ。
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