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なぜ地方創生に「広報力」が必要なのか?

訪日旅行は「爆買い」から「体験」へ 中国人によるインバウンド需要の行方

訪日旅行の最大市場である中国。現在の訪問先は東京や大阪などの「都市」が中心だが、今後は「地方」で体験型観光を楽しむ人が増えると予測する。日中両国でPR事業を展開する2人に聞いた。

中国人が旅行先を決める際に重視すること(複数回答)

2015年の訪日外国人客数は前年より47%増の1973万7000人となり、過去最高を記録した。円安やビザの大幅緩和のほか、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大などが追い風になったとみられる。訪日客の旅行消費額も、2015年は前年比7割増の3兆4771億円で過去最高となった。

その中でも増加が目立ったのが中国からの旅行者だ。2015年は499万人と前年(241万人)から倍増。これにより、国・地域別で3位から1位に躍り出た。旅行消費額でも2015年は中国が全体の4割(1兆4174億円)を占め存在感を示している。

一方で、日本国内の報道からは、中国からのインバウンド需要に対する楽観的な論調は見出しにくい。その象徴ともいえるのが、「爆買いは終わった」との見方。今年は中国政府が輸入品に課す関税率を引き上げたことや、中国経済の先行き不透明感が増しつつあることの影響を受け、失速しているのは明らかだ。そもそも、期待すべきは爆買いなのか。中国からのインバウンド需要の今後について分析したい。

ビザ緩和次第でまだ伸びる

政府は今年3月、訪日外国人旅行者の新たな目標を「2020年に4000万人、2030年に6000万人」と決めた。旅行消費額はそれぞれ8兆円、15兆円を目指すという。こうした強気の目標の根拠のひとつとして、中国からの訪日客のさらなる拡大を見込んでいることは間違いないだろう。

2015年に海外に出かけた中国人は約1億人、旅行消費額は約2290億ドルとされている。飛行機を利用して1泊以上した国・地域のうち、もっとも多くの人が訪れたのが韓国。以下タイ、香港、日本、台湾と続く。韓国がトップであることの背景には国の政策によるところが大きい。2006年に済州島に限って外国人のビザを免除。その手応えの大きさから …

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