自然災害による被災の当事者として広報する際のポイント
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震によって、多くの死傷者や家屋の倒壊などの被害が生じました。1月8日には石川県小松市を創業の地とするコマツが義援金総額6億円(石川県5億円、富山県1億円)の緊急支援や、被災地の要請に沿った形で機材を無償貸与することを決定するなど、企業各社が復興に向けて支援する態度を明らかにしています。今回は、震災など自然災害の被害にあったときに広報する際のポイントを解説します。
リスク広報最前線
複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。
平成26年の都道府県別うなぎ収穫量で堂々1位を誇る鹿児島県。県内で最もうなぎ養殖量が多い志布志市(いぶしし)では、ふるさと納税返礼品であるこのうなぎをPRするため動画を制作し、9月21日にYouTubeで公開しました。ふるさと納税の促進を図ったものでしたが、その内容に対し「女性差別ではないか」との批判が相次ぎ、公開からわずか1週間足らずで公開中止に至りました。
企業や地方公共団体などがPRのために制作する動画や広告、パンフレットでは、刺激的・挑発的な内容や表現が用いられることもあります。それはもちろん、インパクトを残すためです。その結果、話題になり称賛されるケースがある一方、今回のように批判が殺到する場合もあります。一体、称賛と批判の差は何なのでしょうか。批判されないためにはどのような点に気を配れば良いのでしょうか。今回は、動画や広告などのクリエイティブに関するリスク管理について検討します。
志布志市のPR動画では、うなぎを擬人化し …