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社会に広がるPRの力

東日本大震災後にNPOに転身 食品ロス問題を啓発する

食品ロス問題

教育機関や非営利団体、医療法人など広報のフィールドは広がっています。社会を動かし、新たな価値を生み出してきたPRパーソンの活躍に迫ります。

写真パネル:川口市提供

「食品ロス」という言葉を聞いたことがあるだろうか。食べられるのに捨てられてしまう食品を指し、2013年の農林水産省の推計によると、1年間に国内で廃棄される食品約2800万トンのうち、4分の1にあたる約632万トンが問題なく食べることができると言われている。

この食品ロスを生む原因のひとつが、日本の流通システムの慣習である「3分の1ルール」だ。製造から賞味期限までの間は、前半3分の1の期間しか納品ができず、さらに3分の2の期間までしか店頭で販売できない。これにより出荷や販売など様々な段階で、多くの食品が賞味期限を残したまま廃棄されているのが現状だ。また、「食品ロス」はときには「廃棄物」と表現されるなど誤解も多い。このように一般の理解が不足している問題と向き合う社会づくりに、まさにPRの力が求められている。

この食品ロス問題の専門家である井出留美氏は、課題解決を目指し、啓発活動に取り組んでいる一人だ。2011年まで14年間、日本ケロッグにて全社で1人の広報・栄養責任者として社会貢献業務も兼任し、2011年に独立した。メーカーなどから食品ロスを引き取り、福祉施設や生活困窮者などに届けるNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」で広報責任者に就任。2014年からは食や広報に関する専門家として、企業や行政へのコンサルティングや講演、執筆活動などを続けている。

2011年9月に日本ケロッグを退社した。その後は、セカンドハーベスト・ジャパンの広報責任者として働くことに。

震災が「三方よし」求める転機に

2011年3月11日に発生した東日本大震災の直後、日本ケロッグに勤めていた井出氏はシリアルビスケット約22万食を被災地へ届けようと、関係各所への調整に追われていた。

多くの企業と同様 …

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