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ある広報人の告白

資料だけでは伝えきれない。広報のヒントは現場にある

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 小野日子

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの広報活動を担う「スポークスパーソン」に今年1月に就任。外務省で国際広報担当課長や、首相官邸で国際広報室長を経験した国際広報のエキスパートである小野日子氏に、2020年に向けた抱負や心がけていることを伺いました。

東京オリンピック・パラリンピック 競技大会組織委員会 スポークスパーソン 小野日子(おの・ひかりこ)
一橋大学社会学部卒業後、1988年外務省入省。2000年から3年間、日本大使館一等書記官として米ワシントンに赴任。広報対応にも携わる。2011年、広報文化交流部総合計画課長として日本の政策や文化の海外発信を担う。2012年8月から内閣副広報官・官邸国際広報室長。安倍首相の外遊に帯同し世界中を飛び回った。国際交流基金総務部長を経て、2016年1月から現職。

広報を誤れば外交問題に

──夏のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが閉会し、いよいよ次は東京です。リオでの手応えはいかがですか。

スポークスパーソンである私のミッションは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの準備状況などについて発信していくことと、組織委員会の活動を国内外に正しく伝えていくことです。

リオ大会の開催中は「東京2020ジャパンハウス」を開設し、私は海外メディアを中心に広報対応を行いました。「オールジャパン」をスローガンに、東京2020大会や、和食からクールジャパンまで日本の魅力を広く紹介する施設に仕立てました。当初2万人を想定していた来場者数は8万2000人を超え、CNNやBBCなどからアジア・中南米のローカルメディア、地元ブラジルのメディアまで、世界中から292メディア923人の記者が取材に訪れました。

オリンピック閉会式の東京への引き継ぎ式では、日本の伝統文化と最先端のテクノロジー、パラリンピックの閉会式では多様性と調和の両立などをそれぞれ発信することができました。国内外からの反響の大きさには驚いています。ニューヨーク・タイムズなど辛口の海外メディアでここまでお褒めいただいたことはほとんど記憶にありません(笑)。

──小野さんが初めて広報職に就いたのは、米ワシントンの日本大使館と伺っています。当時のことを教えてください。

思い出深い3年間で、広報として辛かった経験もしました。2001年2月10日 …

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広報の仕事は「五里霧中」 とりあえず動き、迷ったら「原典に還れ」
より正しく理解してもらうため、何ごとも「性善説」で考える
社会常識や空気を踏まえ、意見を言えるのは広報しかいない
僕の広報の原点は、リーガルマインドとインテグリティ

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