2017年卒の学生に対する求人倍率は1.74倍。また2016年卒の就職率は文科省の学校基本調査(速報値)で74.3%と2000年代で過去最高だった。「売り手市場」「短期決戦」と言われる中、求められる学生とのコミュニケーションとは。識者に聞いた。
Q1 最近の学生の就職活動からはどんな傾向がうかがえますか。
A インターンに注力
企業も学生もインターンシップに力を入れている。就活のキックオフ的な位置づけになり、学生にとっては企業理解や力を磨く場、仲間をつくる場となっている。「質問会」「面談会」「業界研究会」「キャリア支援セミナー」などの施策も目立ち、学生も早期から話を聞きたいと思っている。内定後に「配活(希望の配属を勝ち取る活動)」に力を入れる学生も散見されるのが最近の特徴。
Q2 最近の学生の気質や志望傾向をどう見ていますか。
A 細分化に対応せよ
そもそも学生の志望・志向が細分化されている。採用活動においては、どの層にアプローチするのかについての設計が問われている。基本、安定志向、リスク回避志向である。社会が不安定で、先行き不透明な中なので、若者を責めるのも筋違いだろう。社会貢献志向、社会変革志向でもある。そのビジネスが社会にどう役立つのかということも気にするポイントである。
Q3 経団連の指針によると、2018年4月入社の新卒採用は17年入社の時と同じスケジュール※に決まりました。どう見ますか。
※企業説明会の解禁は3月、採用面接の解禁は6月
A 採用の基本は変わらない
経団連のスケジュールがどうであれ、企業の採用活動のポイントは変わらない。いかに企業理解を深めてもらうかというコミュニケーションの設計が問われる。学生の企業研究不足、自己分析不足を批判する人事担当者がいるが、喝だと言いたい。確かに、スケジュールに起因する構造的な部分もあるが …
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