フランスに本拠地を置くグローバルIT企業・Criteo(クリテオ)の東京オフィスには、実用性と日本の「おもてなし」の心を兼ね備えた空間が広がっている。多国籍の社員や海外からの来訪者もくつろぎながら過ごすことができる点が特徴だ。

広大なフリースペースには常に様々な部署に所属する社員が出入りし、自然とコミュニケーションが生まれている。
フランスに本社があるCriteoは、ユーザー一人ひとりに適したリターゲティング広告サービスなどを提供するテクノロジー企業。東京オフィスはアジア14カ国の統括拠点で、全社員の3分の1が日本以外の国籍を持っており、その数は12カ国におよぶ。インテリアは大きさや高さを工夫し、文化や体型が異なる社員であっても、それぞれがくつろげるよう配慮している。
海外からの来訪者も多く、日本流のおもてなしを意識した内観デザインも印象的だ。なかでも目を引くのが、壁面に大きく富士山が描かれ、桜をモチーフとした立体アートを配したフリースペースだ。絨毯も「枯山水」をイメージしたそうで、メディアからも好評を得ている。「様々なメディアで取り上げられるようになって、このオフィス自体がひとつの強力な広報ツールに。業界外での知名度アップにも貢献していると実感しており、人材採用の面でもプラスに働いています」と広報業務を担当する田坂彬氏は語る。
また、今回のオフィスの設計は移転前の目黒のオフィスを手がけた会社が引き続き担当した。前オフィスではコーポレートカラーのオレンジを多用し「市場に進出していく勢い」を体現していたが、今回のオフィスでは次なるステップである「安定した成長企業」というイメージを表現するために、緑やグレーなど落ち着いた色を多用している。
このようなオフィス空間を実現できたのは、外資系企業でありながら本国からの制約が少ないため。海外のオフィスも同様で …