広子は後輩の東堂証子とともに、総務部から担当を引き継いだ「CSR報告書」と「CSRページ」の構築にも着手した。せっかく担当するなら自分たちにしかできない表現を、と張り切っていた広子であったが……。
広子▶ こんにちは、大森さん。CSRサイトをつくるのって結構大変ですね。担当者として携わるのだから、納得のいくものをと思い色々と調べたのですが、やっぱり適当なところで折り合うしかないんですかねぇ……。
大森▶ おおっ、お疲れのようですねぇ。
東堂▶ 広子先輩と色々な企業のホームページでCSRサイトを見てみたのですが、なかなか参考になるものがなくて……。
広子▶ なんか違和感があるんですよね。
大森▶ 違和感があるのはどこかな?
東堂▶ そうですね。CSRが持続的な成長のために社会的責任をまっとうすることだとして、例えば地球温暖化の抑止を考えると一企業で達成できるのかという問題にぶつかります。そして取り組んでいる具体的な内容は、クールビズだったり、包装紙の削減だったり。
広子▶ そうそう。総論はごもっともなんだけど、各論に落とし込むと途端に寄せ集め感と言うか、やらないよりはマシだけど、それでどうにかなるの?って思っちゃうんですよね。
東堂▶ 地域貢献というと、企業や社員によるボランティアだったりするのも何か違いますよね …
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