(最終回)
最終回となる今回は、田んぼアートがもたらした経済効果と現在の課題、今後の目標についてお届けします。

今年の第1会場のテーマは、NHKの大河ドラマ「真田丸」。子孫が津軽の地にゆかりがある「石田三成」、ドラマで三成と関係が深い「真田昌幸」の2人がモデルとなった。
前回は田んぼアートが宣伝ツールとして認められ、遂にキャラクターをテーマに使ってほしいとのオファーが来たことをお伝えしました。
「真田丸」と「シン・ゴジラ」
田んぼアートが終了すると落ち着く暇もなく来年のテーマ決めへと向かうのですが、2015年はいつもと違いました。なぜならすでに、2者からオファーが来ていたからです。
第1会場は、今年1月に放送開始となったNHKの大河ドラマ「真田丸」。第2会場は、7月29日に公開された映画「シン・ゴジラ」です。映画の公開時期が田んぼアートの見ごろとぴったり重なるため、配給元からテーマにしてほしいとオファーがあったのです。
近年はテーマ決めに難航することが多かったのですが、両者ともその知名度の高さからすんなり決定となりました。初めて2カ所とも放送中のドラマ、公開中の映画とコラボしたため、今年の評価が楽しみです。
屋上デッキで1日1000人増加
田舎館村の田んぼアートは体験型のイベントとしてスタートし、見ごろの時期に役場庁舎が観光地化するという、期間限定で異色の観光地です。そのため、見ごろの時期には大混雑します。
ところで、第1会場の混雑は構造上避けられないと以前お伝えしましたが、実はひとつ、混雑を回避できる可能性がありました。第1会場の見学場所である役場庁舎は、3階建てで一部が6階建て。6階部分が見学場所となっており、4階までは10人乗りエレベーター、それ以降は狭い階段となっています。混雑の原因はこの輸送力の低さと見学会場の狭さにありました。輸送力の拡大は構造上無理ですが、メインの見学場所を6階天守閣から3階屋上(4階に相当)へ変更することにより、見学場所を拡大することができるのです。
この案は数年前から検討してきましたが、莫大な費用がかかること、各種法律をクリアしなければいけないことなど課題が山積で頓挫していました。いくら待ち時間を減らすための対策を行っても、やはり時間のない方は見学せずに帰ってしまいます。せっかく田舎館村に来ていただいた方に見学していただけるよう …