オフィス空間の工夫が社内の活性化に与える効果とは。8月3日に開かれたセミナーでは、コロプラ、コクヨによる講演とともに、参加者が新コンセプトのオフィス家具を体験する試みが取り入れられた。

セミナーはコクヨの東京ショールームを併設する品川オフィスで開かれた。
スマートフォンゲーム「白猫プロジェクト」などで知られるコロプラの創業は2008年。スマートフォンアプリ黎明期からその将来性に着目する先見の明で、2011年以降売上は急増。従業員数も急拡大している。すると会社の規模の拡大が求心力の低下を招くことが考えられるが、同社では部活動の推奨や福利厚生の充実のほか、オフィスの改革によってこの問題点を払拭すべく取り組んでいる。
「若いゲーム会社と聞くとあまり良い印象を持たれませんが、社員にはコロプラで長く働き続けてほしい。そのためにも、健康への配慮と心地の良い環境づくりは欠かせません」と広報・IRグループマネージャーの斉藤久良良氏は強調する。
オフィスをPDCAで改善
オフィスのテーマは「クリエイターの天国」。自分らしく落ち着ける場としての「家」をイメージしたオフィスには、マッサージルームや無料の自販機を置くほか、社員が必ず通る場所に「LIVING(リビング)」と呼ばれるスペースを設置。ソファやテーブルを置いて居間さながらの空間をつくり、社員同士の会話が自然に生まれるよう配慮した。またパーソナルスペースであるデスクも隣とのベストな距離を定めるなど、ストレスなく仕事ができる環境を心掛ける。
「これまで頻繁にオフィス移転を繰り返していましたが、移転の際には必ず社員にアンケートを取って声を集約しています。使われていない制度や設備は見直したり、廃止することも。オフィス環境もゲームと同様にPDCAを繰り返すことで常にアップデートするよう努めているのです」(斉藤氏)。
変革はスモールスタートで
コクヨのワークスタイル研究所所長の若原強氏と、同社が7月に本格販売をスタートした新オフィス家具ブランド「DAYS OFFICE(デイズオフィス)」の開発を手がけた荒川真伍氏も登壇した。
若原氏は、オフィス空間に特化した同社発行の冊子『WORKSIGHT(ワークサイト)』で取材した海外の優れたオフィスを紹介。社員のエンゲージメントが高い欧米やアジアの企業の共通点は、①顧客を意識させる ②パーソナライズを重視している ③オフィスで会社の理念を体現している ④ライフスタイルをサポートしている、といった点が挙がると分析した。
「国内でもオフィス環境の改善に投資したい人は増えているが、壁や床まで本格的に改装することは、手間やコストの面でハードルが高い。我々オフィス家具メーカーの使命の一つはそのハードルを下げる商品を開発すること」(若原氏)。
セミナー後にも紹介された「DAYS OFFICE」は、若原氏の言う「ハードル」を下げる商品だ。ポイントは壁や床に手をつけることなく、置き家具のみで雰囲気の良い空間づくりができること。「居心地のいいオフィスづくりを始めようと思った時、いきなりすべてを改築することは困難。まずはスモールスタートとして家具の組み合わせ1セットから始めてみて、社員の声を聞きながらより良い環境づくりに取り組むといいのでは」と荒川氏は話した。

オフィス空間の工夫が社内の活性化に与える効果とは。8月3日に開かれたセミナーでは、コロプラ、コクヨによる講演とともに、参加者が新コンセプトのオフィス家具を体験する試みが取り入れられた。
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