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ある広報人の告白

より正しく理解してもらうため、何ごとも「性善説」で考える

日本マイクロソフト 岡部一志

様々な領域で活躍中の広報パーソンに、転機となったエピソードや仕事における信条、若手へのメッセージなどを伺います。

日本マイクロソフト コーポレートコミュニケーション部長 岡部一志(おかべ・かずし)
1991年4月、横河・ヒューレット・パッカード(現 日本ヒューレット・パッカード)入社、広報室配属。1999年11月マイクロソフト入社、2000年4月広報グループ長。2008年7月社長室広報部長、2010年7月社長室コーポレートコミュニケーション部長。2015年7月からマーケティング&オペレーションズ部門に所属。これまで8度の社長交代広報、2度の社名変更広報を経験。マイクロソフト入社後はデバイス、法人向け、政府・地方自治体・教育機関向け、CSRなど幅広い分野の広報を担当するとともに、グローバルのマイクロソフトのコミュニケーションリーダーの一員として活動している。

社会人生活の25年間、広報職ひと筋という岡部一志氏。社長交代をはじめ、様々な出来事に向き合ってきた岡部氏に、広報の仕事の楽しさや信念について伺いました。

トップとの信頼関係が最重要

──岡部さんが考える、広報の醍醐味について教えてください。

自社のことをより正しく知ってもらうことに尽きます。オーディエンスに正しく知らせるためには、自分のもとに常に新しい、正しい情報が知らされるようにしますし、自らも取りに行くことになります。いつも新鮮で、仕事に飽きたと思ったこともなければ、他の職種に移りたいと思ったこともないんです。

ただ、「型」にははまりたくないといつも思っています。広報という立ち位置を活かし、もっと幅広い仕事に挑戦するよう心掛けていますし、実際に広がっています。

──2015年に現在の平野拓也社長が就任しました。社長交代時の広報の役割とは。

社長交代はトップの人となりや今後の方針を広く伝えられる、広報にとってまたとないチャンス。特に最初が肝心です。

かつて、当社が初めて外国人の社長を迎えた時のことです。彼の希望に沿って発信する内容を決めていった結果、望ましいアウトプットにはならなかったのです。メディアや社会の視点を踏まえて助言をしなかった広報のミスでした。

2年後その社長が本社に戻る時、このことを覚えていて、次期社長就任の広報戦略の立案を早い段階から任され、一緒に考えてくれました。その経験を活かし ...

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社会常識や空気を踏まえ、意見を言えるのは広報しかいない
僕の広報の原点は、リーガルマインドとインテグリティ

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