2014年の一連の不祥事後、朝日新聞では読者拡大を目指し、ネットを意識したコンテンツの強化などに取り組み始めている。4月にはその詳細について、メディア向けに説明会が開かれた。

朝日新聞社は4月6日、2016年度のコンテンツに関する記者説明会を実施した。35歳以下の記者らがウェブコンテンツを中心に発信する「U35」プロジェクトや、主要な新聞記事を音声に変換し読み上げるアプリ「アルキキ」の展開など、情報感度が高く社会の中核を担う20代~40代の読者層拡大を狙った施策を展開する。2014年に発覚した東京電力福島第一原発事故の聴取結果書(吉田調書)に関する記事取り消し問題をはじめとした一連の不祥事以降、読者離れも指摘される中、信頼回復を図ると同時に、より魅力的なコンテンツで新たな読者を獲得する狙いだ。
より魅力的なコンテンツ
冒頭挨拶した渡辺雅隆社長は「情報量が増えた今、朝日新聞のコンテンツを選んでもらうための施策が必要。視覚に訴えるコンテンツをつくるデジタル編集部と、取材力・編集力の高い新聞の編集部とを合わせることで、よりスピーディーに、より魅力的なコンテンツ発信を実践していきたい」と述べ、今秋にもデジタル編集部と報道・編成局とを統合させる方針を示した。
この後、ゼネラルエディターの長 典俊氏が具体的な紙面方針について説明。同社の一連の不祥事の影響については「読者の朝日新聞への信頼度は徐々に回復しているが、若い世代や社会の中核で働いている世代については、いまだ信頼を回復できていない」と分析し ...
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