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実践!プレスリリース道場

表現上の制約も突破 医薬品会社が一般紙の掲載を実現するまで

井上岳久(井上戦略PRコンサルティング事務所・代表)

新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウをPRコンサルタント・井上岳久氏が分析・解説します。

今月は当連載では初となる医薬品会社のリリースを取材します。一般的にメディアには取り上げられにくい医薬品業界において、ひとり気を吐いているのが田辺三菱製薬です。

医薬品は大まかにいって、街中のドラッグストアなどで販売される「一般用医薬品」と、病院で医師が用いる「医療用医薬品」とに分かれます。前者であれば、例えば花粉症など多くの消費者に関心があって、季節感のある話題ならメディアが取り上げる可能性はあります。後者となると患者やその家族などの一部の人、もしくは医療機関でしか接しないケースが多く、かつ内容が難しいので、なかなか記事化されないのは致しかたないところです。

医薬品業界広報の使命とは

今回、紹介する「レミケード®」もそうした医療用医薬品の一つです。これまで12の適応症がありましたが、新たに「川崎病」についても適応が承認されたことのリリースです。川崎病とは日本では年間1万6千人が罹患する病気で、既存の治療法では患者の4人に1人が冠動脈病変などの後遺症が残るというデータがあり、レミケード®はそれに効果があると認められたのです。関係者以外にはその切実さが分からないかもしれませんが、当事者にとっては大きな福音なのです。

田辺三菱製薬は…

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