オープンやリニューアルが相次ぐ企業ミュージアムやショウルーム。そのメディアパワーを検証します。

「グッジョバ!!」全景。天候に左右されない屋内型施設は遊園地にとって強み。オープンに至るまで7年かかっている。『とくダネ!』(フジテレビ)や『王様のブランチ』(TBS)でも取り上げられた。
少子高齢化や人口減少を受け、よみうりランドは2009年に新しい屋内遊戯施設の検討を開始した。「このままでは需要は先細りになるという危機感がありました」と語るのは同社専務取締役の圡方功氏。3世代で楽しめることと「ものづくり」をテーマにコクヨ、日清食品、ワールド、島精機製作所、日産自動車、綜合警備保障の6社とのコラボレーションにより計画は進んだ。
「企業の工場見学は数えきれないほど伺いました。最も悩んだのは学びとエンターテインメント性のバランスです」と同施設準備室室長の曽原俊雄氏は振り返る。結果、祖父母から小さな子どもまで3世代が楽しめるアトラクションを入り口に、ものづくりの刺激も受けられる施設が完成した。
施設は2種類。1つ目は同園の得意な乗り物遊戯機と各社事業領域とのコラボレーションだ。ワールドは洋服の製造過程が楽しめる屋内型コースター、島精機製作所はボートを漕ぐ動力などでイニシャル入りコースターができる編み機を提供。綜合警備保障の「SKYパト」では走りながら園内警護ゲームを楽しむ。2つ目は各社事業分野を活かすワークショップ。日清食品の「マイU.F.O.ファクトリー」では世界に一つだけの焼きそばをつくる。いずれも「イニシャル入り」「自分だけの」などのカスタマイゼーションにこだわりを感じる。「アトラクションの楽しさとともに、企業メッセージの発信にもつながるのは、よみうりランドだからこそできること」と圡方氏は胸を張る。園全体で2015年度170万人、16年度は200万人入園を目指す。
「取材では極力、開発に携わったスタッフが直接思いを伝えるようにしました。乗り物施設の楽しさをメディアの方に実感していただけるよう配慮しました」と企画・宣伝課の奥谷祐氏は話す。記者発表は前年10月に丸の内東商記者クラブ近隣ホールで開催し、オープン直前の3月上旬には丸1日使い園内で全施設を体験できるプレスプレビューを催した。撮影用に親子のモデルを遊園地側で手配するといった工夫もあり、当日は105件の取材が入った。

日清食品提供、焼きそば型ゴムボート遊戯機。

コクヨとコラボ、ノート作りなどのワークショップ。
矢吹博志(やぶき・ひろし)PR会社出身。マジックをPRに活かすオフィスパーソナル代表。『夕刊フジ』で、「魅惑のショールーム探訪」連載中。 |