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作家が危機対応をズバッと指南!

シャープのM&Aをめぐるスクープ合戦 メディアと広報の攻防を追う

城島明彦(作家・ジャーナリスト)

広報業界を30年以上見続けてきた作家・ジャーナリストが時事ニュースの中から特に注目すべき事案をピックアップ。事件の本質と求められる広報対応について解説する。

Sorbis/Shutterstock.com

経営再建中のシャープが台湾の「鴻海(ホンハイ)精密工業」(以下、鴻海)の傘下に入ることを意味する「出資契約の正式調印式」が、記者発表の場で行われた2016年4月2日。この日は、世界の産業史に残るエポックメイキングな日となった。日本の大手家電メーカーがアジア系外資に買収されるのはほとんど例がなく、年間約2000件(2013年/レコフ社調べ)を数える日本のM&A(合併・買収)の中でも特筆される出来事だった。

鴻海はEMS(電子機器受託生産)の世界最大手だが、その3日前には、東芝が洗濯機や冷蔵庫などの白物家電部門を中国の家電大手「美的集団」への売却すると発表した。1960年代後半以降、世紀をまたいで世界をリードしてきた日本の「エレクトロニクス大国時代」は、事実上、終わりを告げた。

その日、大阪府堺市にある両社共同出資の液晶会社「堺ディスプレイプロダクト」で行われた「共同記者会見」に集まった取材者は、証券アナリストやカメラマンを含めて約300人に達した。そのうち40人が台湾のメディアだった。堺ディスプレイプロダクトは、2009年に大型液晶パネルの製造工場として設立され、2012年に鴻海グループから出資を受け …

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