リスナーとの信頼関係をベースとするラジオは、影響力の強いメディアでもある。その波及効果から、番組内で商品が紹介されると売上につながることも。今回は在京5局の番組制作者、パーソナリティらにその裏側を明かしてもらった。
『Blue Ocean』
TOKYO FM
女性目線の商品紹介コーナーも
TOKYO FM、住吉美紀さんがナビゲートする朝の女性向け生活情報番組『Blue Ocean』。この時間帯、かつては主婦層が主に聴いていただろうが「今の女性は働きつつ子どもを育て、かつ介護もしていたりとマルチタスク化しているので、一概にどの層がターゲットと区切れなくなってきています」と編成制作局の増山麗央プロデューサーは語る。かつては少なかったような年齢や地域のリスナーも増えてきた。
金曜レギュラーコーナー「オトナとコドモの何でも相談室」では、小学生からの相談に40代の男性が答えを寄せてくることもあるという。「最近はLGBTに該当する方が全体の7%いらっしゃるとのデータもあるようですし、番組でも若い男性が異性に告白できず悩むといった投稿など、若い男性のオトメ男子化もみられます。そういった変化を読み取る必要があります」と増山氏は語る。
「TOKYO 女子 VISION」という女性目線で生活に役立つ商品や情報を毎日紹介するコーナーがあるが、番組で商品や情報が選択される条件については次のように語る。「リスナーの生活に、その商品や情報がどのように役立つかがはっきり分かると取り上げたくなりますね。それに、タイトルだけでどう役立つかが見えるとありがたいです」。具体的には、その商品や情報が「誰に向けて」「どのように貢献するのか」「どのような悩みをどんな形で解消できるのか」が鮮明だと「うまいなあと思い、候補に残りやすいです」と教えてくれた。
他にも、サンプルの送付を希望すると商品を送ってくれる場合があり、「やはり現物があると便利のポイントが実感できますね(笑)」と言う。そして、ある化粧品メーカーでは季節ごとに、例えばハロウインならかぼちゃの香りをからめた仕掛けを、春ならばプレス向けのパッケージのモチーフを桜にするなど、気を配り工夫して送られてくるので ...