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REPORT

ステマ騒動、起こさないためには?JARO・JIAAがセミナー開催

インターネット広告が勢いを増す一方、いわゆるステマ騒動の問題など、PRの視点で従来以上に注意を払うべきポイントも増えている。いま押さえておくべき、法・ルール改正の動きとは─。

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日本広告審査機構(JARO)と日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は2月10日、東京都内でインターネットにおける広告・マーケティングのコンプライアンスをテーマにセミナーを開催した。景品表示法や個人情報保護法など広告規制に関連する近年の法改正や、度々話題になる「ステマ騒動」を主な題材とし、専門家が解説した。

広告規制関連の法改正相次ぐ

第一部では、弁護士の森亮二氏が「インターネットの広告規制」をテーマに登壇した。森氏は、2014年12月に施行された改正景品表示法について解説し、アフィリエイト広告やドロップシッピングなどを例に、景表法上の問題に問われるケースなど、実際の事例も踏まえて説明した。

また、森氏は、2015年9月に改正された個人情報保護法についても触れた。今回の改正は、「個人情報」の定義を明確化したのが特徴で、顔画像データや旅券番号など、従来はそれ単体で「個人情報」と認められるかどうかが曖昧だったものについても、個人情報に該当すると定義した。

これについて森氏は「改正前後で個人情報に関する定義は変わらないとされているが、そもそもこれまで『個人識別性』『特定性』について十分に明確にされていなかったことを考慮すると、実質的には範囲が拡大したと考えたほうが安心。今後3年ごとに行われる法改正にも注視すべき」と訴えた。

正義感が引き起こすステマ告発

また、第二部では、アジャイルメディア・ネットワーク 取締役CMOの徳力基彦氏が登壇し、「なぜステマがネットで騒動になるのか」をテーマに語った。

冒頭に、徳力氏は、ステマ騒動が話題になるまでの背景を時系列で解説。2005年ごろから企業ブログ、翌2006年ごろからは個人ブログでのステマ騒動が徐々に話題になるように。その後、口コミサイトへの「やらせ書き込み」や、ペニーオークションなど芸能人ブログでのステマ騒動が大きな問題となった。そして2015年、騒動は商業メディアにまで波及。同年7月にヤフーが「Yahoo!ニュース」からステマにあたる記事の排除を宣言したことをきっかけに、ウェブメディアなどから「過去にステマへの関与があった」と告白するお詫びのリリースが発信される事態に発展した。

徳力氏は、ステマ騒動が発生・拡大するポイントとして、
(1)ソーシャルメディアの浸透によって個人がメディア化した、
(2)多くの炎上騒動は悪意ではなく「正義感」から始まっており、個人の正義感から企業の問題ある行為が話題になりやすい時代になっている、
(3)一度炎上が発生すると話題が連鎖しやすい
─以上の3点を挙げた。

その上で、「ステマを強行するメリットよりも、炎上したときのリスクの方がはるかに大きい時代。自社のファンをがっかりさせるような手法には手を出さないことが重要」と述べ、広告にはJIAAの定めるネイティブ広告に関するガイドラインを参考に関係性を明示すべきと改めて強調した。

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徳力基彦氏


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森亮二氏

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