日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

地域活性のプロが指南

廃止寸前から立て直した千葉県・いすみ鉄道 生き残るために地域の広告塔になる

鳥塚亮(いすみ鉄道 代表取締役社長)

(最終回)
最終回は、ローカル線が交通目的以外で収益を得るための考え方を紹介します。

img04
img01

千葉県・いすみ鉄道は株式会社としての側面以外に、公共的使命を帯びている。

株式会社というのは営利追求型の組織です。株式会社の目的は利益を上げることですが、一方でローカル鉄道のような公共的使命を帯びている会社は、利益を上げるだけが目的ではないという考え方もあります。

田舎の町での地域サービスなどは不採算部門にあたり、営利追求型の株式会社にとってはふさわしくない事業ですので、「鉄道は赤字だから廃止にしてしまおう」となります。採算性の議論ばかりを中心として、過去30年ほどの間に日本各地でローカル鉄道が廃止されてきました。そして、そのような地域は今どこも荒廃が進んでいます。民間の株式会社はほとんどが地域サービスから撤退し、不採算部門を引き受ける株式会社は、補助金が出なければ営業活動を継続することができません。

もともと全国各地のローカル鉄道の多くは戦前に建設されたもので、自動車社会になる以前の地域交通を支えてきました。つまり、建設当初の役割はすでに終了しているのです。車社会の中で「地域の足としてのローカル鉄道」を標榜し、生き残りをかけて取り組んできたところが多いと思いますが、他の使い方を考えなければ事業として残ることができないというのは当然なことです。そこで私は、鉄道が地域の広告塔になることによって疲弊した沿線地域へのカンフル剤となれる。観光客を誘致することによって地域に経済が生まれ、行政が掲げる「移住促進」にも少なからず貢献できるのではないかと考えたのです。

よそ者の目を活用する

地域経済が現状で疲弊したり、うまくいっていないようなところは何か手を打たなければなりません。ローカル鉄道も同じで、今までの「地域の足」という役割だけでは …

あと73%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

地域活性のプロが指南 の記事一覧

廃止寸前から立て直した千葉県・いすみ鉄道 生き残るために地域の広告塔になる(この記事です)
廃止寸前から立て直した千葉県・いすみ鉄道 ローカル線をどのようにしてブランド化する?
廃止寸前から立て直した千葉県・いすみ鉄道 「非日常」を地域の価値と捉えよう
廃止寸前の千葉県・いすみ鉄道、住民に認められるために行った施策とは?
廃止寸前のローカル鉄道、どのようにして立て直した?「よそ者」社長が協力を得るまで
地域の「実力者」を味方に―地域活性における協働のポイントとは?

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する