企業の社会的責任に関わる意思決定に疑念の声 不信感を払拭する危機管理広報とは
複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを98専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。
リスク広報最前線
複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。
「イソジン」をめぐる明治側とムンディファーマ側の訴訟は、長年消費者に愛されているブランドだけあって、ネット上でも大きな話題に。消費者のイメージ悪化を防ぐため、両社はどのような広報戦略をとるのだろうか─?
うがい薬として知られる「イソジン」の2016年4月以降の販売をめぐって、ムンディファーマと塩野義製薬の子会社であるシオノギヘルスケア(以下「ムンディファーマ側」)と、明治とMeiji Seikaファルマ(以下「明治側」)が、お互いを訴え合う事態に至りました。「イソジン」を開発し、商標登録しているのは、ムンディファーマ社です。明治側は1961年以降、ムンディファーマ社から許諾を得て、うがい薬「イソジン」を製造販売してきました。しかし、2016年3月末で商標ライセンス契約が終了することから、4月以降はムンディファーマ側が「イソジン」ブランドの商品を製造販売し、明治側は「明治うがい薬」を新たに製造販売することになりました。
このケースが訴訟合戦に至ったのは、商品・パッケージなどのデザインがきっかけでした。明治側は、うがい薬「イソジン」のパッケージなどに表示していた「カバくん」のデザインを商標登録していました。ところが、ムンディファーマ側は …