新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
世界最大の旅行口コミサイトらしく、「旅」のイメージを喚起させるエントランス。訪問者への案内が床面にあり、周りの景観と溶け込んでいる。
2000年、アメリカで誕生したトリップアドバイザー。現在では世界最大の旅行口コミサイトとして47の国と地域、28言語で展開されている。
日本法人の設立は2008年で、業務の拡大とともに徐々にオフィスの規模も大きくなり、2015年6月に恵比寿ガーデンプレイスに移転。前のオフィスと比べ敷地面積が約2倍になった現オフィスでの業務が開始した。
グローバルなメンバーにより、トリップアドバイザーらしさと日本らしさの両方を表現することを意識しながら移転プロジェクトは進められた。世界中すべてのオフィスデザインを手がけるアメリカ人、全社で統一されたITシステムを組み立てるイギリス人が2人、日本人が2人、さらにサポートとして2人のシンガポール人も参加。当然、施工にもバイリンガルな業者が選定され、新オフィスの設計が進められた。
エントランスのアンティークカーは印象的だ。ロンドンのオフィスでは飛行機の羽根が使われているらしく、「旅」を意識させるモチーフ選びに各拠点のこだわりが垣間見える。
同社シニアオフィスコーディネーターの日向里佳氏によると、「移転にあたり社員同士のコミュニケーションの活性化も課題のひとつでした」。これまではプロダクトごとに縦割りのチームで集まりがちだったが、ゆったりとくつろげるスペースを設けたことで …