なぜ、あの企業は社会の批判を浴びたのか――。大手、BtoB、外資系など2015年に発生した様々な不祥事について、広報、危機管理など9人の専門家に解説してもらった。

8月5日
ベルギーの劇場からのエンブレム使用差し止めを受け、制作者の佐野研二郎氏が記者会見し、盗用疑惑を真っ向から否定した。
※分析にご協力いただいた専門家:ACEコンサルティング・白井邦芳氏、郷原信郎弁護士、フライシュマン・ヒラード・ジャパン代表・田中愼一氏、アズソリューションズ代表・佐々木政幸氏、弁護士ドットコムニュース編集長・亀松太郎氏、エイレックス代表取締役社長・江良俊郎氏、ジャーナリスト・城島明彦氏、日本アンガーマネジメント協会代表理事・安藤俊介氏、弁護士・浅見隆行氏
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エンブレム発表後、佐野研二郎氏が取り下げを発表するまでの44日間のSNSの動向を見ると、ツイートは少なくとも8回大きな風評の山を築き、1万件を超えた日数は20日間に及ぶ。さらに44日間の内42日間は、大半がネガティブツイートで構成され、取り下げ・辞退は遅すぎた感が否めない。
国を背負ってのブランド構築という状況下で、五輪組織委も適切な運営・判断能力が求められていたが、海外からの指摘という思わぬつまずきで適切な「取り下げ」のタイミングを見極めることができなかった。また、佐野氏だけを議論の的にしてしまった関係者の対応にも課題が残る。結果としてロゴ制作側だけではなく …
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