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地域活性のプロが指南

地域の「実力者」を味方に―地域活性における協働のポイントとは?

高野誠鮮(地方公務員・総務省大臣委嘱地域力創造アドバイザー・日蓮宗僧侶)

(最終回)
地域を活性化させるプロジェクトに携わる筆者が、リレー形式で登場する本シリーズ。石川県の羽咋市の限界集落を活性化させた高野誠鮮さんのコラムも最終回。神子原地区のプロジェクトで経験した、地域との協働のポイントについて解説します。

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石川県羽咋市・神子原地区の直売所「港の駅」。

返却されたポスターを完売

「成功」や「失敗」というのは、基本的には他人の評価であると考えています。他人の評価を気にせずに、酷評されようが何度もトライし、信じて貫いてみれば良いのです。それはどんなビジネスも、広報の仕事も一緒です。

この連載でもご紹介した神子原米のPRの例でも分かるように、途中で諦めると「失敗」というレッテルが貼られますが、最後まで諦めずに何度も失敗という階段を上り切れば大きな反論はなくなり、今度は成功だと言われます。失敗している間は酷評してきた人が成功し始めた途端、「あの成功のアイデアは俺が指導した」などと言われることもありました。何もしない人間は絶対に失敗はしない。何もしないのだから。大過なく過ごしてきたという人の多くは、失敗しそうなことには最初からチャレンジしておらず、口だけで何もしない人は、「絶対に失敗しない人」だと感じます。

失敗は、普通は喜べる内容ではありません。しかし、頭の中でも良いからこれを一度喜んでみるべきです。かつて、イベント用の巨大なポスターを100万円以上もかけて制作して全国の駅に貼ってもらおうと試みましたが、数日後に「規定外の大きさなので一枚も扱えない」とトラックごと返却されて大問題となりました。このとき、私は手を叩いて喜んでみました。それは、どうすれば喜べる状態になるのかを閃くための行為でした。そして思いついたのがイベント会場で「限定ポスター」として1枚1000円で売ること。完売し製作費の100万円が、お釣り付きで戻ってきた経験があります。

一度の経験もないのに何かの行動を起こせば、大抵の事柄は最初必ずといっていいほど失敗します。しかし、この失敗の中に実に多くのヒントが隠されているのです。補助輪なしに自転車に乗った子どものころのことを思い起こしてみましょう。一度ひっくりかえっただけで挫折して諦めたでしょうか。何度も何度も擦りむきながら、なんとか自転車に乗られるようになったのではないでしょうか。経験もないのに、最初からうまく行くような魔法のような方法があるなら是非教えてほしいものです。機械や電気回路なら設計図通り動くでしょうが、人が介在している物事は、描いた計画書の通りには絶対に動きません。

協働プロジェクトの難しさ

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漁村の活性化策として、漁師が市場を介さずに自分たちで値段をつけて売った「能登石蒔絵」。

思い描いたように、うまく行かなかったことも多々あります。特に地域活性化の取り組みや、官公庁や地元の人々との協働プロジェクトを続けていくためには困難がつきものです …

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