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次代のPRパーソン(PR)

キャンドルウィック石井麻理子さん「生活者に近いPRこそ、学びが必要」

キャンドルウィック 石井麻理子

主要なPR会社の現場で奮闘する若手・中堅のPRパーソンに、現場の仕事や今後のPRのあり方について聞く。

“ろうそくの芯”という意味の社名を掲げるPR会社、キャンドルウィック。その名称には「ブランドやメッセージのコア(芯)を大切にする」という同社の信念が込められている。これまで、衣・食・住といった消費者のライフスタイルに深く関わる業界のPRを多く手がけており、社員は現在のところすべて女性。中には子育て中のママ社員も在籍し、かつ社員の9割がバイリンガルだ。そんな同社で、活躍している若手社員のひとりがアカウントエグゼクティブの石井麻理子氏だ。

学生時代からPR業界に興味を持っていたという石井氏は、大学在学中にカナダ留学を経験。語学プログラムを受けた後に約3カ月間、現地の小さなバレエ団の広報としてインターンをしながらPRの現場を学んだ。帰国後は2012年2月からキャンドルウィックにアルバイトとして勤務するなど、PRの世界に自ら飛び込んでいった。

入社以来、担当してきたクライアントのひとつがノルウェーのベビー用品ブランド、ストッケだ。「日本のベビー用品は、そのほとんどが本体の軽量化に力を入れるなど、母親にとっての利便性を意識した商品が多いのが特徴です。一方で、ストッケは子どもの目線を第一に考えた製品づくりにこだわりがある。そこが日本製の製品と最も差別化が図れる部分だと判断し、コンセプトを伝えるブランドマーケティングに力を入れました」。

モノにこだわりを持つ母親層と親和性の高いメディアをターゲットにキャラバンも続けた。「フェイクのベビーを乗せて、出版社にベビーカーを押していったこともあります」と振り返る。ストッケを担当した当時はまだ新入社員でアシスタントとしての役割が中心だったが、今年1月から携わるニューカレドニア観光局のPRでは主担当の一人として日々奔走している。「ニューカレドニアといえば、小説『天国にいちばん近い島』の舞台として、中年層を中心に知られていましたが、最近の若い世代にはあまり知名度が高くなく、海のほかに実際何があるのか想起できない状況がありました」。

石井氏がまず最初に手がけたのは、ニューカレドニアの魅力の整理。それをもとにファクトシートやプレスキットの制作といった、メディアや消費者向けのマテリアルづくりをスタート。ストッケの仕事で学んだブランドマーケティングの経験を活かし、オフィシャルのプロモーションムービーの制作、観光親善大使の起用など、「ビーチのある旅といえば、ニューカレドニア」というイメージ想起につながる施策を展開し続けている。

今後はインスタグラムなども使いウェブを活用したPRに力を入れつつ、現在は年間2万人弱という渡航者数を近い将来、倍近くまで伸ばしていくことを目指す。

来春で入社5年目を迎える。「消費者のライフスタイルに直結する企業のPRを手掛けているからこそ、興味は尽きない。常に勉強し知見を広げ続けていきたい」といい、真摯にクライアントの課題解決に取り組み続けている。

企業DATA
企業名 キャンドルウィック
所在地 東京都渋谷区神宮前5-6-4Path OMOTESANDO C-3F
代表者 シルベスタ典子
従業員 17人
沿革 2004年、設立。衣・食・住のブランドを中心に、旅やチャリティといったグローバル企業のPR・マーケティングを手掛ける。デザインやリテールという切り口から考えるPRを重視し、女性ならではの視点でプロモーションを行う。

アカウント エグゼクティブ
石井麻理子氏(いしい・まりこ)

カナダへの交換留学を経て玉川大学を卒業後、キャンドルウィックへ入社。今年で4年目となる。外資系企業を幅広く担当。PRに限らず、プランニングやイベント、制作物のディレクションなども手がける。

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