マーケティングの優れた知見や事例を紹介する「インサイトスコープProject」のセミナーが東京と大阪で開かれ、企業のマーケティング担当者らが登壇した。

東京での基調講演には本田技研工業の原氏が登壇、参加者は熱心に聞き入っていた。
「絆の形成」で特別なブランドに
今回のセミナーは、「ブランドにイノベーションをもたらす企業の戦略」がテーマ。消費者の嗜好が多様化する中、「よい商品を作り、よい表現で訴求すれば売れる」という時代は終わりを迎えつつある。そんな中、本セミナーでは企業側による様々なイノベーションが、生活者のライフスタイルに変化をもたらすことに成功した事例を紹介。その中から、アイデアの導き出し方や発想方法のノウハウなどについて学んだ。
セミナーは東京・大阪の2会場で実施。東京会場では、第一部に基調講演として、本田技研工業のブランド企画室クリエイティブブロック ブロックリーダーの原寛和氏が登壇した。原氏は、ブランドマーケティングの要素として、認知(ブランドの名前を伝える)、理解・印象形成(ブランドの特徴やイメージを伝える)、態度形成(好ましさや肯定的な態度をつくる)、絆の形成(心理的な結びつきをつくる)の5つがある、という点を指摘した。
その上で、「強固な顧客基盤の構築には特に4つめの『絆の形成』(=ブランド・リレーションシップ)が重要だ。これにより、他の製品やブランドと比較されることなく、他と比較できないほど特別な存在になることができる」と述べた。
ヒット製品のブランド戦略を紹介
第二部のパネルディスカッションでは、森永乳業で広告部長を務める寺田文明氏、カルビー マーケティング本部 フルグラ事業部事業部長の藤原かおり氏、日本コカ・コーラ マーケティング本部 ハイドレーションカテゴリーウォーターチームマネジャーの田中学氏が登壇。それぞれがヒット商品などを生み出すまでの戦略や経緯について語った。
寺田氏は、森永乳業のギリシャヨーグルト「パルテノ」を担当。日本になじみのなかったギリシャヨーグルトを定着させるため、有名レストランでメニュー化させるなど、認知度向上策を展開。その後、体験カフェを用い、リアル店舗で実際に商品を体感してもらった。
一方、田中氏はミネラルウォーター「い・ろ・は・す」のブランディングを担当。2015年にスタートした「LOVE WATER, LOVEい・ろ・は・す」キャンペーンなどについて紹介した。一方、藤原氏は、シリアルブランドの「フルグラ」をヒットに導いた戦略を明かした。
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