新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウを紹介する「リリース道場」。今回はザッパラスによる、女性目線を意識してつくったリリースを紹介します。
自分がまず体験してみる
自分がまず体験してみるメディアに取り上げてもらう方法のひとつに、記者に体験取材してもらい、その報告を執筆してもらうレポート記事があります。これは記者のリアルな体験談が書かれているため読者も興味を持って読んでくれるほか、記者も熱心に良い記事を書いてくれる傾向があります。今回はそんな体験を呼び込めるリリースの例として、ザッパラスの「ソロモーノ」のリリースに着目したいと思います。
「ソロモーノ」とは日常ではなかなかできない体験を提供する独身女性向けのサービスで、サイトには「殺陣体験」や「農業体験」などユニークなメニューが並んでいます。こうしたサービスは従来、カルチャーセンターなどで入会金を払い、何回分かまとめて受講料を納めなければならないものがほとんどでした。ソロモーノではそれを単発で、料金も1回分を払うだけ、さらにひとりだけでも申し込みやすいところに特徴があります。
そもそもザッパラスはデジタルコンテンツ事業を行い、なかでも「占い」をメインジャンルとして株式上場を果たした会社です。「占い」から「体験」へと、ずいぶん異なるジャンルに進出したのは、1年ほど前に社内でビジネスプランコンテストが行われたのがきっかけでした。これから10年、20年先の会社の成長を考えたとき、占い以外にもうひとつ大きな柱が欲しいとの思いからでした。
そこで30代の女性社員が提案したのがこの「体験サービス」だったのです。提案者いわく、今はキラキラと輝いている40代の独身女性が増えており、ソーシャルメディアで自らのライフスタイルを積極的に発信している時代。彼女たちは仕事でキャリアを積んでいて、金銭的にも余裕があります。そんな女性たちに、ありきたりでなく珍しいことを体験してもらうのがコンセプトで …