2014年4月、西武ホールディングスは10年ぶりの上場を果たした。その中心となった後藤高志社長が何より重視したのがグループ内でビジョンを共有し、一体感を高めることだった。
社内コミュニケーションの課題を解決
青いビジョンブック社長も「常にポケットに」
後藤社長が何より重視したのは、グループの一体感醸成。2006年にグループビジョンを社長自らが積極的に実践。その姿を社内報やイントラネットなどでグループ各社に発信している。2014年4月の上場を機に開いた会見でも、後藤社長が胸ポケットからグループビジョンが書かれた冊子を取り出すという一幕も。
社員をビジョンの「宣教師」に
2014年4月23日、西武ホールディングス(HD)の社員にとって、これほど待ちわびた日はなかっただろう。2004年3月に西武鉄道の総会屋に対する利益供与事件に端を発し、同年12月に同社の上場廃止が決定して以来、実に約10年ぶりの上場を果たした日だ。2005年に西武入りした後藤高志社長の指揮のもと、グループ一丸となって上場を目指してきた。
西武鉄道、プリンスホテル、西武ライオンズなど、事業も業態も多岐にわたる54社で構成する同グループをつなぎ、上場実現を後押ししたのは何だったのか。それは上場の日の記者会見で、後藤社長が胸ポケットから取り出した、小さな青い冊子に秘密がある …
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