「未来の顧客」に伝わるか
(上段左から)ソフトバンクグループ・孫正義代表、日本マイクロソフト・樋口泰行社長(7月から会長)、資生堂・魚谷雅彦社長
(下段左から)ベネッセコーポレーション・原田泳幸社長、ネスレ日本・高岡浩三社長、エアウィーヴホールディングス・高岡本州社長。
事業の志・経営ビジョン・パッション・戦略構築力・コミュニケーション力といった経営要素がすべて統合されたのが、トップ・プレゼンだ。プレゼンを見れば経営者の力量が分かる。言い換えれば、プレゼンに登壇するトップは経営者としての力量を世間から値踏みされるのだ。だから投資家も注目する。トップ・プレゼンを見れば企業の未来が分かるからだ。
「とりあえず、ミスなく話せればOK」と考えている経営者が多いのが残念だ。スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏を見ても分かるように、トップが企業の夢やビジョンを力強く語り、そのメッセージに顧客・取引先・社員が大きく共感したとき、企業は力強く成長する。これこそトップの責務ではないだろうか。「未来の顧客」が企業を好きになるようなトップ・プレゼンが必要だ。
市場は大きく変化し、ほとんどの業界で各社横並びの時代は終焉した。消費者が多様化して商品があふれる中、企業は独自の強みを活かして価値を創造し、トップ自らが積極的に市場に訴求することが求められている。だからトップ・プレゼンが注目されるのだ。
しかし必ずしもプロのような完成した話し方が必要なのではない。大事なのは、「パッション」「ビジョン」「コンテンツ」の3点。米国テスラモーターズ社CEOのイーロン・マスクは必ずしも話し上手ではない。しかしこの3点が飛び抜けており、人は彼の話に熱狂するのだ。
これら3点をしっかりと伝える方法がある。それは …