グローバル市場における発信力もトップに求められる重要な素養の一つ。オグルヴィ・グループのコンテントディレクターで元ロイター通信日本支局長の関満亜美氏は「日本企業のトップはFaceless(=顔が見えない)と言われがち」と警鐘を鳴らす。
- “Faceless”(=顔が見えない)な経営者は、海外での信頼は得られない。
自分の言葉でビジョンを語れるようにトレーニングを - ファクトだけにPRの価値があるのではない。
トップの個性や価値観も立派なPRの素材になる - 即時対応が求められる時代。
トップの発信もスピードを意識せよ
グローバル市場の視点
顔が見えない日本の経営者
グローバリゼーションが進む中、日本企業が国際競争を勝ち抜く上で、海外メディアに対する企業トップによる情報発信力の重要性が増している。また、対メディアだけでなく、海外の投資家やグローバルの各拠点にいる従業員に向けて、どのようなメッセージを発信し、ブランド価値を高めていくのかも課題のひとつといえる。
ロイター通信社に25年在籍し、ロイター初の女性日本支局長としての経験を持つオグルヴィ・グループ コンテントディレクターの関満亜美氏は「ロイター時代、海外の記者から日本企業のトップは“Faceless(=顔が見えない)”と言われることが多かった」と振り返る。
Facelessなトップとは、企業の大看板の陰に隠れてしまい顔が見えないトップのこと。そうしたトップからは、広報が「用意した」発言しか聞くことができず、海外メディアから興味を持たれないのだという。「社長から直接考え方を聞くことができるインタビューは、記者にとっては勲章のようなもの。それなのに、資料に書かれているようなことしか発言しないトップでは、海外メディアの記者はがっかりするし、そういう企業は興味も持たれなくなるでしょう。確実に企業やブランドのイメージは下がります」。
もちろん日本企業にも …