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宮崎県日南市「マーケティング専門官」の視点 企業コラボで資源をPR

日南市マーケティング専門官 田鹿倫基

宮崎県日南市は、全国でも珍しい「マーケティング専門官」を設置。市の全国における知名度を高めるために、企業とのコラボレーション企画を数多く実施している。

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「日南市でbokete!!」は大反響を呼び、1ヵ月間で4500個のボケが集まった。

飫肥(おび)城下町などの風情ある街並みが残り、鬼の洗濯板や鵜戸神宮などの観光資源も点在する宮崎県日南市。そんな市の魅力を全国に知らしめるために、市は2013年に「マーケティング専門官」を設置した。初代専門官に抜擢されたのが田鹿倫基氏。宮崎大学を卒業後、リクルートなどでネットビジネスに関わった経験を持つ。

専門官のミッションは、日南市外から外貨を獲得し、市内雇用を拡大させること。そのためには市のPRも重要だ。特に、発信力のある企業や媒体と連携し、全国的な知名度を高めつつ、「日南市が協業しやすい自治体だと印象づけることが大切」と田鹿氏は話す。

例えば、2014年には人気ウェブサービス「ボケて」とのコラボを実施した。日南市をテーマにした写真でボケる企画「日南市でbokete!!」は大反響を呼び、1ヵ月で4500個のボケが集まった。「ボケて」と自治体の協業は初めてで、在京メディアも相次いで報道。市が全国に知られるきっかけとなった。

また、日南市の特産品「飫肥杉」を使用した小物を海外ギフトショーに出展する際は、ファンづくりを兼ねてクラウドファンディングを活用。地元企業との連携も活発だ。あるITベンチャーは、漁協女性部とプロジェクトチームを発足。「うみっこかあちゃん」の名前でECサイトがオープンした。

こうした取り組みは、「市外への広報・PRであるだけでなく、日南市民自身が日南のことを知るきっかけにもなりました」という。

「国が地方創生を打ち出し、今後は地方同士が競争する時代に突入するでしょう。今までのような受け身の行政では生き残れません」と田鹿氏は語る。競争を勝ち抜くために、日南市のような戦略的なマーケティング・PRが全国の自治体に求められる。

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特産品「飫肥杉」を使ったインテリアの海外発信事業では、クラウドファンディングを活用した。

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大堂津の漁協女性部とIT会社が協働で発足させたプロジェクト「うみっこかあちゃん」。

日南市マーケティング専門官 田鹿倫基氏(たじか・ともき)

1984年生まれ。2009年宮崎大学卒業、同年リクルート入社。アドオプティマイゼーション推進室でネット新規事業開発に関わる。2011年アドウェイズ上海法人を経て、2013年に日南市マーケティング専門官に就任。

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