江崎グリコは2015年に入り、ソーシャルメディア上のリスク対策を強化している。Facebookページのグローバル展開など「攻め」のSNS発信を進める一方、Twitterなどのネガティブな投稿を迅速に把握できるよう、新たな体制を整えている。
2013年末から多言語での併記を始めた江崎グリコのFacebookページの投稿。
25万人のファンのうち、約4分の3は海外のユーザーとなっている。
営業時間外も「監視」必要に
1日あたり平均8000件─SNSやネット上に書き込まれる、江崎グリコに関する投稿件数だ。消費者のブランド関与度が高く、ロングセラー商品を多数持つ同社では2015年からソーシャルリスク対策を見直し、4月から新たな監視体制をとっている。
「曜日や時間を問わず、SNSやネット上に書き込まれる情報を追うということは、もちろん片手間でできることではありません。そこで当社では今年の4月から新たな外部の監視サービスの導入に乗り出しました」。そう話すのは、同社グループ広報部・岡本浩之部長だ。
グリコでは公式Twitterアカウントを2010年9月に、Facebookページを2013年3月に開設。後者に関しては、遅めのスタートではあったものの、2015年6月時点でのファン数はおよそ25万人に。現在はアジア圏でのファン拡大に力を入れている。
一方で、リスク対策で特に神経をとがらせているのはTwitter上に飛び交う情報の監視だ。「特にこの1年、食品の異物混入が大きなニュースになった背景もあり、当社でも対策が急務と考え、体制を見直し始めました」。
現在はTwitterやFacebookをはじめとしたSNSに加え、インターネット上の匿名掲示板に書き込まれる情報まで24時間体制でチェックする。万が一、自社に関する緊急性の高いリスク情報を見つけた際には昼夜土日を問わず、岡本氏のもとへ緊急通知が届くようになっているという。
「監視の際にはある程度キーワードを絞り込んで情報を探していますが …