インナーコミュニケーションを活性化させ、事業の成長を後押しする役割を担う社内報。社内広報活動の基幹業務であり、社員を巻き込む企画力や編集力が問われます。今回はセブン&アイ・ホールディングスのグループ報制作の裏側に迫ります。
セブン&アイ・ホールディングス
『セブン&アイ+』

グループ38社をつなぐ
コンビニ、総合スーパー、百貨店、食品スーパー、金融サービス、IT事業など幅広い業態を展開するセブン&アイ・ホールディングス。グループ会社は144社あり、国内の店舗1万9000店ではパート職員も含めて約15万人が働く(2014年2月末)。現在、グループ広報は13人が担当し、社内報は編集長の鷹取千恵子さんを含めた3人が担当している。
配布対象はグループ会社38社で、会社によってはパート職員も含めて社員全体に配布する。鷹取さんは「グループ各社は会社の垣根を越えて、ひとつの企業集団と捉えています」と語り、立場や業務、環境が異なる全社員が唯一同じ情報を得ることができる機会として、それぞれの業務のヒントになるような情報発信を意識している。
経営の意思伝達やグループの一体感醸成はもちろんのこと、接客の好事例を紹介する「接客は楽しい」などで社員のモチベーション向上も図る。一方で、お客さまからの不満を漫画形式で紹介する「今月のイエローカード」で、悪い面への改善策を講じることも忘れない。現場の社員がすぐに参考にできるよう構成している。
各社の情報やお客さまの意見収集において、まったく業態が異なる38社の情報を編集部がすべて把握することは難しい。そこで活躍するのが編集委員の存在だ。現在は各社で選定した15社21人で構成され、自社の情報収集や取材のセッティングを担当する。通常業務として広報や販促、総務や人事を担当している社員が多く、情報が集まりやすい仕組みとなっている。
編集委員との関係については、業務を依頼する立場とされる立場でもあるが …