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匿名記者が明かす残念な広報対応

不祥事対応に現れたのは新人広報!? 記者が本音を語る

全国メディア 経済部 記者 Mさん(女性)

記者と広報は、なぜすれ違う?第一線で活躍するメディアの記者に本音で語ってもらいました。

全国メディア 経済部 記者 Mさん(女性)

都内某所の記者クラブに勤務する経済記者。担当業界を駆け回り取材を重ねる中、最近では業績が悪化しそうな企業は広報担当者の「匂い」でかぎ分けることができるという特技を体得した。

リリースを配布した直後に担当者が会議に入る、緊急時に携帯電話に出てくれない、「折り返します」と言ったきり音沙汰がない……。広報担当者のこうした困った対応はよく耳にするし、筆者自身も数多く経験している。今回は、このようなケース以外で、筆者が「これはないな」と感じたものを紹介したい。

不祥事対応に現れたのは…

ある日の午後、所属する記者クラブで緊急のリリースが配られることになった。内容は、ある企業が不祥事を受け、役員報酬の一部返上を決めたというものだ。このような場合は、発表後に記者が投函に来た担当者を囲んで質疑応答を行う「プチレクチャー」が行われるのが通例だ。この時は不祥事自体が耳目を集めた内容だったことや業界大手企業だったこともあり、資料投函時間には10人前後の記者が担当者を待ち構えていた。

申し込み時間に現れたのは、まだ20代と思われる若い女性。この時点で嫌な予感がしたが、説明が始まると予感は的中したと言わざるを得ない状況となった。こちらが資料では分からない内容を尋ねても、「ちょっと確認します」「資料の持ち合わせがないので……」などと、まともな答えがほとんど返ってこないのだ。

内容によっては要点だけを確認して第一報を校了することも考えていたが、これでは肝心な部分の確認もできない。時間が経つにつれて周りの記者のメモをとる手が止まり、イライラが募っているのが分かった。最終的には相手企業に対して「きちんと説明ができる人をよこしてください」と要請し、1時間後に仕切り直しという事態になった。

断っておくが、筆者は決して「若造なんぞ相手にならん」と馬鹿にしているわけではない。きちんと自分の発言に責任を持ち、質問内容に丁寧かつ柔軟に答えることができる担当者ならば年齢も性別も関係ないと思っている。

しかし、今回のケースは緊急の案件という事情もあってか、資料上に書かれた内容を見ても事前の準備が明らかに不足していた。こうした場合は、ある程度責任を持って対処ができる立場の人、例えば部課長以上が対応すべきだったろう。もしどうしても責任者が行けない場合は、想定問答を練り上げて送り出す必要があった。

例えば今回のような報酬返上というケースでは、「返上する割合」「期間」「対象者」など、記者が知りたい内容は限られてくる。新聞を呼んでどういう要素が必要かを事前に押さえておくのはそれほど難しくないはずだ。また、公表できない点は「正当な理由」を用意して、記者を納得させることも必要となる。そうした事態に臨機応変に対応できる人が同行した方が、企業・記者ともスムーズに仕事が進む。たかが資料投函と軽視せず、出かける人を決めてもらいたい。

リリースの棒読みはちょっと…

この数年記者をしていて、官公庁・一般企業問わずよく遭遇するのが …

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