地域を活性化させるプロジェクトに携わる筆者が、リレー形式で登場する本シリーズ。関西の商店街を舞台にポスター展を企画してきたコピーライターの日下慶太さんが、新世界市場や文の里、伊丹市など、メディアの注目を集めた企画の裏側を解説します。
商店主大プレゼン大会の様子。
訥々と話す居酒屋店主、パワーポイントを用意する弁当屋、かぶり物をするバーテンダー、双子の娘に挟まれながら語る写真店……みんな必死で自分の店をアピールした。それが新鮮でとてもよかった。
ポスター展と売上の関係は?
今回は第3回の伊丹西台ポスター展(3月1日終了)を取り上げる*1。兵庫県伊丹市の西台地区という、阪急伊丹駅の西側に位置するエリアにて、開催されたものだ。かつて伊丹の中心地であった西台は阪神大震災で壊滅的な被害を受けた。さらに、JR福知山線の複線化によりJRから大阪へのアクセスが格段によくなり、町の中心が阪急伊丹駅から800メートルほどのJR伊丹駅の方へシフトしていった。
*1 これまでの企画の会期は次のとおり。第1回「セルフ祭」:2012年5月25日〜27日/第2回「セルフ祭」:2012年7月28・29日/新世界市場ポスター展:2012年11月23日〜2013年1月13日/文の里商店街ポスター展:2013年8月28日~12月31日/伊丹西台ポスター展:2014年11月1日~2015年3月1日
西台はかつての面影もなく住宅地といくつかの店舗が混在する静かな町になりつつある。かつての盛り上がりを取り戻したい、そう思った商店主たちが電通にオファーをした。今までのポスター展との違いは、大きく5つある …