新しいアイデアや事業は、社内のコミュニケーションの場から生まれることも少なくない。こうした作用を生み出すスペースを設けている企業のオフィス哲学とは?
新オフィスのコンセプトを「パーク・ミュージアム」と銘打ち、都心にある公園をイメージして空間を設計した。リフレッシュスペースは本格的なカフェのようで、社員同士の打ち合わせに使う人もいれば、ひとりで作業に没頭する人もいる。もちろんコーヒーを飲みながらくつろぐ人も。さながら街中にあるお洒落なカフェのよう。
2013年、現LINEとなるNHN Japanが会社分割を行い、NHN PlayArtは誕生した。同社開発の「LINE:ディズニー ツムツム」などのスマートフォン向けゲームアプリやコミックサービス「comico」も好調とあり、社員数も次第に増加。2013年12月の計画開始から、実に395日もかけた大型プロジェクトにより、2015年1月に渋谷ヒカリエから虎ノ門ヒルズへと移転した。
オフィスコンセプトは「楽しさを創造する都会のオアシスのような空間=パーク・ミュージアム」とし、「見せるためのオフィス」を目指すのでなく、「働きやすさ」を重視した。その中で生まれたキーワードが「セカンドホーム(二番目の家)」というものだった。プロジェクトメンバーの平田真理子さんによると「最も力を入れて設計したのは、社員個人が働くスペース。オフィスを“セカンドホーム”と位置づけ、自宅と同じように居心地の良い場所になるよう工夫しました」。
平田さんが所属するのは「クリエイティブセンター CX室」。CXとは「カルチャーエクスペリエンス」の略で、空間や環境、コミュニケーションなど会社のカルチャーをつくる部署だ。オフィス内はCXの観点から、オリジナリティのある設備が多数見られる。例えば、各フロアの執務エリアをつなぐ打ち合わせスペースにはそれぞれテーマがあり、デザインや漂う香りまで違う …