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IRの学校

新人IR担当広子と学ぶ 「株主優待の設計ってどうすればいいの?」

まぐまぐ 大森慎一

コーポレートストーリーのブラッシュアップも順調に進み、IRチーム内でも存在感を増してきた広子。順調な仕事ぶりに見えたが、いつものセミナー室に飛び込んできた彼女は、なぜか少し焦り気味で─?

広子▶ おはようございます。社長から新しい課題をもらったんです。「今後の株主総会で当社の株主優待制度を発表したいから内容を固めてほしい」って。

大森▶ 社長から直接のご指名かい?ずいぶん信頼されているね。御社だったら株主優待の検討に入るだろうなと思っていたよ。今や無視できない要素だものね。

広子▶ そうなんです。社長に「上場会社の約3社に1社が株主優待を実施している」という情報を伝えた人がいるらしく。それで、社長が「なんで株主優待の提案を持ってこないのか」と怒り始める前にと思って、他社事例の優待内容をまとめて持っていたら、「担当は任せた。具体的な実施案として提案してくれ」という話になって……。

大森▶ わはは。いいじゃない。で、どんなまとめをしたの?

株主優待は目的を整理

広子▶ 他社事例を分類すると、
(1)自社製商品そのもの
(2)自社サービスを受けられる無料券類
(3)自社製商品・サービスを店頭などで使える割引券など
(4)自社事業ではないが、地域の名産物など広い意味で関係のあるもの
(5)自社事業に関係ない物品、金券・プリペイドカード類

に分けられます。(5)も多いですが、(1)や(2)、(3)が多いようですね。数量の分配も所有株数だけではなく、所有年数なんかも加味している会社もありますね。

大森▶ なるほど、感心、感心。多分、社長も自社事業との関連性で整理したことを評価しているんじゃないかな。

広子▶ そうですか、ムフッ。当社は消費者向けメーカーですし、自社製品でいいのかなと思っているんですが、不安もあって。もともと株主優待を調べ始めたのは、テレビで株主優待の活用法の特集を見たからなんですが、そこでは“優待をもらったら活用しないと損”みたいな扱われ方で少し嫌な気がしたんです。

大森▶ もちろん施策にはデメリットもあるよね。企図した方向ではない使われ方をされることもある。一度始めると …

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