プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、ヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。
非公認キャラながら、「ねば~る君」は伸びるパフォーマンスでメディアの注目を集めている。写真は2014年12月20日に岐阜県の柳ケ瀬商店街にて開催された「ゆるクリ@YANAGASE2014」の様子。
非公認キャラ急増の背景と課題
特定地域の振興、プロモーション、PRのために活動している「ご当地キャラ」で一般的に知られているのは、地方自治体や官公庁、関連機関など行政団体主導でつくられ、主に税金を活動資金とする「公式キャラ」である。他にも企業や団体、個人などの民間が独自に制作し、自分たちで資金を調達して活動する「非公認キャラ*1」、非公認キャラが地方自治体や商店街などに後付けで公認された「公認キャラ」など、成り立ちの異なるものが共存する。公認キャラも地元の活動資金提供がない名誉職的なものが多いため、税金で活動する「公式キャラ」と、それ以外の「非公認キャラ(公認含む)」に大別すべきであろう。
*1 当連載では当初から自治体が広報活動の一環として税金でつくったキャラを「公式」、民間がつくり、後から自治体がお墨つきを与えたキャラを「公認」としている。
ふなっしーがブレイクした2013年以降、自由につくれて低予算でも成功するチャンスに賭けた非公認キャラが多数誕生した。使い勝手の良い存在として、茨城県の「ねば~る君」のように短期間でマスメディアの注目を集めるキャラもいる。その一方、当初は積極的に活動していたものの、明確な効果が見えないまま予算が削減され、出番が減った公式キャラも数多く存在する。ましてや非公認キャラは、活動資金を自ら調達せねばならないため、グッズ販売やファン出身スタッフによるボランティア活動、運営団体の本業や支援者からの資金補填では賄いきれず、イベント遠征費の確保に苦労するなど厳しい環境下にあるものが多い。
果たしてどんな顔ぶれがご当地キャラとして今人気なのか …