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匿名記者が明かす残念な広報対応

不祥事起こした社員は実名発表?それとも匿名?元記者が明かす 記者と広報の頻発トラブル解決法

全国メディア 元記者 Sさん(女性)

記者と広報は、なぜすれ違う?第一線で活躍するメディアの記者に本音で語ってもらいました。

全国メディア 元記者 Sさん(女性)

某大手メディア政治部の元記者。本社ではひたすら官僚や政治家を追いかけていたが、地方支局時代は警察から自治体、企業取材まで幅広く経験。「飲みニケーション」で相手の本音を引き出すことを得意とするが、翌日には大半を忘れてしまうのが悩み。

理解不足がトラブルのもと

今回、このコラムを書くにあたって、これまで記者生活で印象に残っている広報担当者を思い浮かべてみた。酒を酌み交わしつつ、人生相談に乗ってくれたある企業広報、担当を離れた今でも時々メールや電話をくれ、出張のたびに会いに来てくれる某自治体の広報課長、困ったときには「しょうがないな」といいながら、こっそり裏を取らせてくれた某省の幹部─。浮かんでくるのは信頼関係を結ぶことができた、親しい人の顔ばかりだ。

残念な広報対応を受けたことは、それこそ数えきれないほどある。しかし、そういう広報担当者の顔は、まったくといっていいほど浮かんでこない。残念な対応をするような広報とは、記者会見で1度か2度顔を合わせたきりだったり、あるいは電話だけの付き合いだったりと、顔を覚えるほど親しい関係になれなかったパターンが多い。

つまり、記者と広報のいさかいが起こる原因の多くは、お互いに“相手の事情”が理解できていない、単純なコミュニケーション不足にある。記者が何を求め、何を嫌うのかを知り、対応を事前にシミュレーションしてさえおけば防げることが大半ではないだろうか。

今回は、こうした取材経験の中から、(1)不祥事会見時の対象者の匿名発表(2)会見時間を知らせるリリース配布後、実際の会見までに問い合わせに応じない─という頻発するトラブル2事例について紹介し、どう対応すべきだったかについて考察したい ...

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