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リスクと広報

謝罪会見の広報対応からにじみ出た 朝日新聞の「驕り体質」

朝日新聞「吉田調書」、慰安婦関連記事取り消し問題

あの不祥事は、なぜあれほど世間から批判されたのか─?顧客情報漏えいからフードテロ、取引先・子会社の不祥事まで、2014年の危機管理広報の誤りを専門家と振り返りながら、広報の視点で会社を守り、評判を高めるためのポイントを徹底解説します。

9月11日午後7時ごろ、朝日新聞社本社内で開かれた謝罪会見。木村社長はこの日、進退について明言を避けたが、11月14日の臨時取締役会で、引責辞任する方針が決まった。

事件の経緯

9月11日、朝日新聞社の木村伊量社長は記者会見を開き、東京電力福島第一原発事故の政府事故調査・検証委員会が作成した吉田昌郎所長への聴取結果書(吉田調書)について報じた記事を取り消し、関係者に謝罪した。また、8月5日、6日に掲載した慰安婦報道の記事や、朝日に批判的な内容の池上彰氏のコラムの掲載を見送ったことについても謝罪した。

弁護士ドットコム編集長 亀松太郎氏はこう見る


記者から非難を浴びた会見前の広報対応

会見当日の朝日新聞の広報体制には大きな問題があった。当日の朝、記者会見を開くという情報が流れ、広報室に問い合わせた。しかし、広報担当者の電話の受け答えや態度は気持ちがいいものではなかった。広報対応次第で記者の心象は大きく左右され、社の体質自体を疑われてしまう。

詳細は午後になっても判明しなかったため、朝日新聞社前で待機することに。現場ではすでに数社のマスコミが待機しており、「敷地内に入らず、歩道で待つように」と指示する朝日の従業員と押し問答になっていた。しかし、メディアはどんどん増えるばかり。このままでは通行の邪魔になってしまう。

結局メディア側からの提案で、敷地内で整列して待つことに。有事の際メディアがどう対応するか周知しているにもかかわらず、適切な人を現場に配置していないのはいかがなものか。

その後、電話で広報に問い合わせた社に対し、会見の詳細を知らせる案内状がファクスされ、受付で案内状を見せるよう指示された。しかし、当然現場で待機していた記者はそんなものは持っていない。案内状を持たずにやってきたフリーの記者と揉める場面も散見された。

調査会社社長 古野啓介氏はこう見る


広報対応からにじみ出た朝日の「驕り体質」

9月11日の記者会見では、すでに指摘されてきた同社の「驕り」や「開き直り」と同様の官僚的な回答姿勢が目立った。

例えば、「今回の件で、読者からどれくらいの数の抗議や批判があったのか。また購読を中止したという読者はどれくらいいたのか」との質問に対し ...

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