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リスクと広報

中小企業の情報が狙われている!?サイバーリスク最新事情を専門家が解説

西本逸郎(ラック)

「サイバー攻撃なんて、大手企業だけの問題」。そう思っていないだろうか?セキュリティ会社「ラック」取締役CTOの西本逸郎氏は、企業規模を問わずサイバー攻撃に遭うリスクが高まっていると警鐘を鳴らす。

    サイバーリスクを防ぐために

    1. 自社サイトが不正送金ウイルスを媒介していないか再度チェックを

    2. サイバースパイの標的は一般企業に移行。早急に対策を

    3. 誰でも“名簿屋”に情報を売れる時代。元社員への対策も万全に

知らずに不正送金に加担

昨今、話題の脅威は大きく3つある。(1)インターネットバンキング不正送金急増 (2)サイバースパイの暗躍 (3)内部不正発覚の急増だ。この3つを中心に、特に企業広報として考慮しておかなければならないことを挙げてみたい。

まずは(1)不正送金の問題だが、広報の観点では犯罪者に加担しないことを考えていただきたい。つまり、自社のサイトが不正送金ウイルス(インターネットバンキングの不正送金に関わる不正プログラムや犯人側の仕掛けをそう呼称する)の踏み台にならないことへの用心である。

不正送金に関してはインターネットバンキングに関わるIDやパスワードなどを不正に取得する手口として、フィッシング詐欺が有名である。現在も継続して注意は必要だが、最近はインターネットバンキングを行うパソコンに不正送金ウイルスを感染させて、IDなどを抜き取ったり、遠隔操作じみた手口を行使して不正送金を行うケースが増えている。不正送金の「機械化」である。

その「機械化」の主役「不正送金ウイルス」に感染させるため、企業や省庁などのホームページ改ざんが昨今急増している。JPCERT*の発表によると、2013年の日本におけるサイト改ざんは6000件にも及ぶそうである。その多くが、この不正送金ウイルスの感染ではないかと推測されている。

ここで、広報担当が気をつけなくてはならないことは ...

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