株主や投資家、アナリストとのコミュニケーション、各種ツールの作成など多岐にわたる上に奥深いIRの仕事。豊富な実務経験をもとに、IRベテランの方々にそのコツを伺います。
こんにちは。前回、「スチュワードシップ・コード」についてコメントする中で、投資家と企業との間には多くの認識ギャップがあり、建設的な「目的を持った対話」の必要性がますます高まっていると述べました。その対話のためのツールとして統合報告書が最適であると私は考えていますが、まずは、2014年8月6日に経済産業省より公表された「持続的成長への競争力とインセンティブ〜企業と投資家の望ましい関係構築〜」プロジェクト(略称:伊藤レポート)をご紹介し、ステークホルダー間の認識ギャップ是正への方策について考えてみたいと思います。
中長期的な企業成長につなげる
資本市場を取り巻くステークホルダーである上場企業、投資家、市場関係者、学識者、政府当局者が一同に会して、2013年7月にスタートし、私もメンバーとして参加しました。詳細は、経済産業省のウェブサイトにアクセスし、「伊藤レポート」で検索していただくと、概要、要旨、そして全文が掲載されています。
あくまで個人的な見解ですが、政府発表の日本再興戦略での企業の「稼ぐ力」のクローズアップなど、中長期視点で日本経済を復活させる取り組みが進んでいる中 …