上場企業479社の広報活動実態調査でわかった日本企業の広報力とその課題、ビジョンについて「8つの広報力」を切り口にレポートする。
危機管理力に関する企業の広報活動実態(戦略構築力の10設問から主要設問を抜粋)
回答した上場企業479社が危機管理力関連で当てはまると回答した数をパーセンテージ表示している。星印は、専門家パネルが重要視した上位項目(数字は順位)
「絵に描いた餅」にしない
事故や事件、いわゆる“不祥事”は起こらないこと、起こさないことが何より重要であり、平時からの対策が欠かせない。しかしながら、どんなに対策を講じていてもたった一人の悪意やうっかりミスといった蟻の一穴から、ある日突然、予告や予兆もなしにクライシス局面の幕が開く。“不祥事”には様々なレベルがあるが、何らかの被害が出ていたり、違法性があったり、また注意喚起をせねばならない場合には「説明責任」が生じ、メディアを通じた「情報開示」が必要となる。
ここでのコミュニケーションの巧拙が企業の命運を分けるのである。対応がまずければメディアの批判を喚起し、業績や株価、レピュテーション(評判)などに多大な悪影響を及ぼす。その意味で「危機管理力」は ...
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