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作家が危機対応をズバッと指南!

日本マクドナルドの食肉問題、外国メディア主導型事件の危機管理を問う

城島明彦(作家・ジャーナリスト)

危機を乗り越えるための対応方法は、世間を賑わせる時事ニュースの中から学べる点が多くある。取材される側と取材する側の両方を経験し、広報業界を30年以上見続けてきた作家・ジャーナリストが、危機対応の本質について解説する。

日本マクドナルドのプレスリリース
「『上海福喜食品有限公司』に関する報道につきまして」(7月22日)

「供給ルート図」報道で騒ぎが拡大

アメリカの食肉大手OSIグループの中国現地法人「上海福喜食品」(Husi)の広報は8月29日、使用期限切れの食肉加工品を販売した事件で、同社の幹部6人が逮捕されたと発表した。上海の衛星テレビ「東方衛視」が7月20日の報道番組で流した「潜入ルポの衝撃映像」が“動かぬ証拠”となった。

OSIが中国に進出したのは1991年だ。翌年からマクドナルドに、2008年からケンタッキーフライドチキンとピザハットに食肉を販売。マクドナルドで上海福喜食品の食肉を使っているのは、中国と日本だけだった。

東方衛視の報道を追って経済紙『第一財経日報』がロゴマークを使った供給ルート図(OSI→Husi→マクドナルド、吉野家、セブン-イレブン、ピザハットなど16社)を載せたことから騒ぎが大きくなった。しかし、日本マクドナルドの広報は動かなかった。

上海市の食品監督庁はスクープ映像が流れた20日の夜 ...

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