今年のカンヌPR部門の審査員を務めたのは、博報堂グループのTBWA\HAKUHODO 原田朋氏。7月末、『広報会議』読者を対象としたセミナーの場で、同部門の審査について解説いただいた。原田氏は審査を通じて「あらゆるブランドがPRを標準装備する時代になった」と語っている。

PR部門の審査員は21人。一番右が原田氏。中央は審査委員長のRenee Wilson氏(MSLグループ)。
「広告は男、PRは女」の議論
2009年にカンヌライオンズのPR部門が創設されて以来、日本からも審査員が選出され参加しているが、2014年は原田朋氏(TBWA\HAKUHODO)がその役割を担った。とはいえ、世界最大の広告祭、カンヌの審査がどのように行われているのか、多くの読者はピンと来ないかもしれない。そこで今回のセミナーではまず、原田氏から審査の様子や評価のポイントについて説明いただくとともに、今年の入賞作品からPRの潮流についての解説がなされた。
原田氏は広告会社からの参加だが、21人の審査員のうち多くを占めていたのはPR会社の人々。審査委員長も、パリに本社を置くグローバルPRエージェンシー、MSLグループのRenee Wilson氏(写真中央)だった。しかも委員長含め21人の審査員中、14人が女性。「PRは女性の世界だと思わされた」と原田氏は振り返る。
審査の現場でも「PRは女性の世界か?」という議論で盛り上がったといい ...
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