新聞には、実はそれぞれのカラーに応じて掲載されやすいテーマがある。メディアの違いや部署の特徴を押さえて、効果的にPRする方法とは?
7月16日の各紙の一面。朝日、毎日は原発事故関連を一面トップで報じているのに対し、読売は政府のブラジル支援策を報じている。
全国紙5紙を徹底分析
メディアが求めるキーワードを押さえよ
新聞に掲載されるためのキーワードはあるのか?――。ある全国紙の記者は「記者やデスクの好みもありますが『うちの紙面としてはこのネタは絶対外せない』という“鉄板”ものは結構あります」と明かす。紙面の特徴を効果的なPRに活かすコツを探った。
毎日がセクハラ野次に唯一反応
労働者に寄った、いわゆる“左巻き”な論調の朝日新聞と毎日新聞。「ブラック企業」の問題など、深く突っ込んだ記事が売りだ。広報に関連性が高いトピックでは「職場環境改善」ネタが大きく掲載される傾向にある。例えば、「若年層のスキルアップを目指して、ユニークな休暇制度を創設した」「社員の喫煙量を減らすため、独自の対策を始めた」など、まだ出していないネタがあれば、「これがニュースになるの?」と思わずに、重点的にアピールしたい。
特に毎日新聞は「女性」に関する感度が高い。これを象徴するのが、6月18日東京都議会での塩村文夏議員に対する“セクハラ野次”問題だ。実際に多くの新聞社が現場で取材をしていたにもかかわらず、翌日の朝刊全国版で取り上げたのは、毎日新聞だけだった。「女性の社会進出」「育児と家事との両立」に関するネタがあれば売り込みたい。また、毎日新聞は、記者が独自の視点で記事を展開する「記者の目」など、記者個人にフィーチャーした紙面構成も特徴だ。やみくもにリリースを打つよりも、記者に個人的に近づいたほうがかえって効果的なケースもある。
一方、朝日、毎日とは対極的に ...