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基礎からのIR講座

IRに求められる、投資家のターゲティング

貝沼直之(ドンキホーテホールディングス)

株主や投資家、アナリストとのコミュニケーション、各種ツールの作成など多岐にわたる上に奥深いIRの仕事。豊富な実務経験をもとに、IRベテランの方々にそのコツを伺います。

目標を何に設定するか

こんにちは。前回の連載では、IR担当として投資家と面談を行う際のノウハウをいくつかご紹介しました。しかし、投資家との面談をある程度行えるようになると、対応に悩むケースもでてきます。個別にカスタマイズしたIRアレンジを行う場合などでは、キャパシティの関係で投資家全員を呼ぶわけにもいきませんし、IRという仕事の大前提となる「フェアディスクロージャー」の理念も守らねばなりません。このあたりのバランスの取り方は、会社ごとのIRの目標によって変わってきます。それが今回のテーマです。

IR活動は、国内、海外を問わず、あらゆる投資家に同一な情報を提供する、つまりフェアディスクロージャーの理念が原点にあります。とはいえIR部門の人員リソースの問題、言語の問題などで、量と質とスピード、いずれも満足できるように提供するのは極めて困難です。上場企業として株価を動かすような重要な事実は当然フェアディスクロージャーの理念に則ってIRを行いますが、それ以外の広汎な事柄はIRの目標を何に設定するかによって、会社ごとのスタンスも異なってきます。

例えば、(1)会社のファンダメンタルズの状況に沿った株価形成を目指したいのか、(2)株主構成において比率を高めたい対象は「海外の機関投資家」「国内の機関投資家」「個人投資家」のうち誰なのか、(3)IR業界でいくつかある表彰制度で受賞し、社内外の評価を高めるのか、等々。

もっとも(3)のような目標を掲げたとしても…

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