ベンチャーの事業成長を促し、社内の一体感醸成にも大きな役割を果たす広報。その立ち上げに密着し、戦略やベンチャーならではのやりがいと苦労を聞きます。今回はスマホ決済サービスのベンチャー企業、コイニーを取材しました。

左から堀辺憲氏(広報)、佐俣奈緒子氏(代表取締役社長)、久下玄氏(プロダクトストラテジスト)、松本隆応氏(リードデザイナー)。広報担当としては1人だが、佐俣社長をはじめストラテジストやデザイナーと協力し合いながら、互いの得意なところを出し合ってPRしている。
コロッケ、おでんもスマホ決済
今年5月、約400店舗が軒を連ねる東京・品川区の戸越銀座で、クレジットカード決済サービス「Coiney(コイニー)」の試験運用が始まった。これまで、店舗でカード決済を導入する場合、10万円前後の専用決済端末機と電話回線の開設が必要だったが、Coineyの無料のカードリーダーをスマートフォンのイヤホンジャックに装着し専用のアプリを使えば、ネット回線で決済を完了することができる。導入コストやランニングコストをかけずにカード決済ができる手軽さが、Coineyの強みだ。
「戸越銀座名物の1個80円のコロッケやおでんを、Coineyを使ってスマホ決済する様子は、メディア向けにも“絵”になります」。そう話すのは、コイニーでコーポレート コミュニケーション マネージャーを務める堀辺憲氏。試験運用は、PRにおいても絶好のチャンスだと捉えている。「少額決済から使える手軽さ、小さな商店でも導入しやすい利便性を訴求できる機会。これを突破口に、『うちでも導入できるかも』と全国の商店の皆さんに感じていただき、幅広い地域、層に採用してもらえれば嬉しい」と意気込む。
堀辺氏は、今年3月に同社初の広報担当者として中途採用された。それまでは、佐俣奈緒子社長がメディア対応を兼務していたが、 ...