第10回となる「インサイトスコープProjectセミナー」のテーマは、カスタマージャーニーの視点から見た「ファンを定着させ、成長させる理由」。当日は150人を超える、企業のマーケティング担当者らが会場に詰めかけた。
鈴木氏は「カスタマージャーニーの中心にあるのは、consumer at the centerという考え方」と説明した。
ユーザー体験を向上させるには?
「カスタマージャーニー」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。ニューバランスジャパンのマーケティング部長、鈴木健氏によればその定義は以下のとおりだ。
「具体的な顧客(ペルソナ)の具体的な目的(旅の終点)にそってどのような体験(そのひとの感情的反応)をしているか、を一連のプロセスで示すこと」─単なるメディア接触などの状況を把握するだけでなく、消費者の中に生まれる感情的な体験を重視しているのがポイントだ。
同社では年2回、カスタマージャーニーを把握するためにチームメンバーや広告会社とともに2日間のワークショップを実施している。「消費者の情報は社内に多数あふれているものの、そのデータを一元的に見ている担当者が不在という企業では、消費者中心のマーケティングを実現するのは難しい」といい、カスタマージャーニーという考え方によって、テレビCMのつくり方やプロモーションにおけるメッセージがどのように変わったか、事例とともに紹介した。
さらにライオン 宣伝部の中村大亮氏も同様に、カスタマーインサイトを探るという視点からデータを活用したマーケティングの取り組みを紹介。ある洗顔料ブランドを例に、市場動向などの外部要因、広告の効果測定データなどから消費者の一日の動きや感情の仮説を立て、機能訴求につながる広告クリエイティブと効果が出る広告配信の時間帯を割り出す流れを示した。
またクロス・コミュニケーションゼネラルマネージャーの檜垣篤史氏からは、ウェブサイトをユーザー中心に設計するための「UX(ユーザー・エクスペリエンス)」という考え方を説明。顧客の声をリサーチすることで、ウェブサイトを通じたユーザー体験を向上させるために必要な仮説検証のノウハウを解説した。
第10回 インサイトスコープProjectセミナー
「ファンを定着させ、成長させる理由」
日時:5月27日(火)会場:アイビーホール
プログラム
“体験を見える化”する カスタマージャーニーによるマーケティング戦略
ニューバランスジャパン マーケティング部長 鈴木 健氏
「リサーチ×デザイン」で成果を上げるWebサイト構築
クロス・コミュニケーション ゼネラルマネージャー 檜垣篤史氏
データを活用したカスタマーインサイト発掘からのマーケティングアプローチ
ライオン 宣伝部 中村大亮氏
インサイトスコープProjectは、複雑化している企業のマーケティング戦略を成功に結び付けるための手法や考え方を、ケーススタディや分析データをもとにご紹介することを目的としています。
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