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ベンチャー広報立ち上げ記

化学商社発のベンチャー、健食市場でPRは効くのか?

えんばく生活(ハイケム)

ベンチャーの事業成長を促し、社内の一体感醸成にも大きな役割を果たす広報。その立ち上げに密着し、戦略やベンチャーならではのやりがいと苦労を聞きます。今回は、化学商社発のベンチャー企業で健康食品を企画・販売するえんばく生活を取材しました。

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ハイケムとえんばく生活の2社の広報担当を務める黒岩英理子氏(写真右)。現在多くの時間を割いているのは後者で、約10年間の広報IRの経験を活かしつつ、外注するPRのコンサルタントや高佳子社長(同左)らとアイデアを出し合い、商品の魅力の訴求に務めている。

通販のノウハウよりPR

日中の架け橋として主にファインケミカルを扱う化学商社のハイケムは、2013年8月にえんばく生活を設立し、11月には自社開発の健康食品「えん麦(ばく)のちから」の通信販売をスタートした。「えん麦」とはイネ科の穀物のこと。低血糖に悩むハイケムの高潮社長が出張先の中国でえん麦を使った健康食品に出会い、効果を実感したことが開発のきっかけだ。ハイケムは商社だが、社員の6割は化学などの分野で修士課程以上を修了した専門家。高社長が中心となり、既製品を輸入するのではなく、日本人の舌に合い、飲みやすい粉末の商品を自社開発した。

ハイケムの広報担当を務めるのは、ウエディング会社の広報を経て昨年5月に入社した黒岩英理子氏。えんばく生活の宣伝、広報、コーポレートサイトの運営、販促物の作成など商品のプロモーションも担っている。通販広告には、緑色のボタンの方がクリックされやすいなどさまざまなテクニックがある。しかし黒岩氏は、前職の経験もあり、通販独特のノウハウを取り入れるだけでなく、広報活動に注力したいと話す。「もちろん、一定の効果を得るためにそういったノウハウも大切です。一方で、えん麦は今のところ競合がない新商品ですし、多くの人はえん麦という言葉を聞いたこともないでしょう。まずは、その特長を理解いただくため、メディアを通じてきちんと説明することが大切だと考えました」。

そこで、4月15日には初のメディア向け説明会を開催した。親会社のハイケムは化学商社で、自前のメディアリストや人脈はない。新聞や雑誌の署名記事を見て、この人は呼びたいと思う記者をリストアップし、一件一件電話をかけて集客した。「製品発売から半年近く経ってからの説明会。えん麦をブランディングするために立ち上げたサイト『えんばく情報局』の開設日に合わせて開催しました」。

丁寧なアプローチが奏功し、日経新聞、産経新聞、レタスクラブ、オレンジページなど10媒体が会場に足を運んでくれた。当日は、社長が商品の開発経緯を説明した上で、「えんばく情報局」編集長に就任した大学教授から、えん麦の機能について丁寧に解説。商品を使った試食会も開催し、メディアから好評価を得た。「手探り状態で企画を始めた当初は、ニュースもない中で誰も来てくれないのではと不安に感じたこともありましたが、懇親会後に食の情報サイトや生活実用情報誌で商品をご紹介いただいたことで自信につながりました」。

今後、注力していきたいと考えているのは料理教室を通じた ...

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