そのまま食べたくなるようなパッケージで心をくすぐる
パッケージのデザインにも一工夫。「そのままプレゼントできる」と、販売を後押しした。
手のひらの熱で溶かす仕組み
新幹線で買ったアイスクリーム。食べようとしたら、付属のスプーンがバキリと折れてしまった─。そんなストレスを吹き飛ばす、アイスクリーム専用のスプーン「15.0%」を発売し、情報番組をはじめとした多くのメディアに取り上げられているのは、時計メーカーのタカタレムノス(富山県高岡市)。アルミニウム製のため熱伝導率が高く、どんなに固いアイスクリームでも、手のひらの熱によって柔らかく食べられるというこの商品は、2011年にグッドデザイン賞を受賞し、注目を集めた。
スプーンの形状もさまざま。先端がフォーク状になっているスプーン(手前右)は、ソルベに最適だ。
仏具、時計の次はアイス
本業の時計製造では、渡辺力氏をはじめとする有名デザイナーとコラボレーションするなど、デザイン性の高い時計メーカーとして、すでに実績を上げていた同社。なぜ、畑違いのスプーンをつくったのだろうか。それは、元々同社が仏具を製作する「高田製作所」から派生したところに起源がある。
広報担当の菊地圭輔さんは、アイスクリーム用のスプーンができたきっかけをこう説明する。「仏具の製造だけでは今後、需要が増える要素がありません。亡くなってしまった方への弔いの儀式に用いるものから発想を変えて、“生きている人のライフスタイルを支えるものを作ろう”というコンセプトが生まれました」。
そこで、時計製作で親交のあったデザイナーの寺田尚樹氏に企画を依頼。すると ...